サムライバイヤーの会

2025年2月28日金曜日
17:30
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13:15
zoom開催
利益を出す過程でたくさんの人をハッピーにしている“利益創出の途中の質の高さ”から、のらくら農場 萩原さんが心から尊敬している流通に携わる皆さんにお集まりいただき、「流通×農業」を軸に3つのトークセッションを予定しています。
<サムライバイヤーの皆さま>
※萩原さんによる皆さまのご紹介(五十音順)
株式会社信濃屋食品 岩崎忠之さま
「萩原さん、僕はバイヤーが食の世界を変えられると本気で思っているんですよ。」初めて岩崎さんにお会いしたときに、おっしゃった言葉が強烈に残っております。取引の話などそっちのけで、醤油の木樽を存続させることの意味。それを実現させるために、取り組んでおられるPB商品の実際。そして、これはどの職場にもありうると思いましたが、良いと思った取り組みをするにしても、社内の説得にも多大なエネルギーを使うという点。ここでエネルギーを使われておられる方が他にもいらっしゃると思います。是非このあたりをお話できたらと思います。
株式会社坂ノ途中 小野邦彦さま
小野さんはバイヤーというよりも経営者です。が、どういう生産者と取引をするのか、という坂の途中さんの核となる思考を作られていらっしゃいます。食事をご一緒したときに、「僕は、寛容な世の中にしたい」とおっしゃっていました。その寛容は、ただ甘いのではなく、そうすることによって関わる人が長期的に見てハッピーになる仕組みのことだと僕は理解しました。「海の向こうコーヒー」など、海外の事業にも取り組んでおられます。青果流通に人が集まりにくい昨今において、若い人材が驚くほど集まっているのも、小野さんの人徳かと思います。
株式会社がいあプロジェクト 清水仁司さま
僕の経営の師匠です。一歳年上にこの人がいてくれなかったら、のらくら農場は途中で終わっていたと思います。もう四半世紀のお付き合いをさせていただいております。清水さんは僕を弟子などとは思ってないと思いますが、僕が勝手に片思いで師匠と思っています。うちにいらしても畑なんか見ない(笑)。「自分は素人だから見たってわかんないもん。」と、人で判断されていらっしゃると思います。のらくら農場が未熟すぎて、全力ではやっていても、良いものが作れなかった頃。後に、「なんであんなに未熟なうちと付き合ってくれたのですか」とお尋ねしたら「萩原君の伸びしろを買ったんだよ。」とさらっとおっしゃいました。生産者の家族ごと愛してくれる人です。
株式会社坂ノ途中 鈴木雅之さま
坂ノ途中さんの生産者と何度か話す機会があるのですが、どの生産者の話を聞いても、絶大な信頼をされている方だと感じます。「お客さんへの信頼」というラインに関して、やるべきことを生産者に伝えるときはビシッと。ずいぶんのらくら農場の若手スタッフも育てていただいています。優しい=甘やかすでは決してないことを、身をもって示してくださっています。
丸長青果 特命係長 黒澤伸寿さま
黒澤さんの以前の職場で、良品計画さんにとてつもなく信頼されていて、メニュー作成会議にも呼ばれるほどでした。「そんな時期にパクチーのメニュー作ってどうすんのさ。不安定だから味も乗っていない市場もんに頼ることになるって。それだったら、ここにいい生産者がいるから、この素材にしなって。」とメニューを変えさせてしまう。ズッキーニは大きくなっても味が落ちない 特性を活かして、規格外の大きなズッキーニも飲食店にあてがってしまう。「値引きなんかしなくていいさ。同じ価格でいいよ。だって飲食店は大きなものを仕入れられるから得してんだから。」と、作物特性を活かして、全員ハッピーにしてしまいます。僕は、黒澤さんには青果仕入れの後進を育てる教官になってほしいと思っております。
生活協同組合連合会コープ自然派事業連合 田中勇磨さま
生活協同組合連合会アイチョイス 水谷圭介さま
田中さんと水谷さんは同じコープ有機といういわば出島組織に所属していらっしゃいます。コープ自然派とアイチョイスが合併して、両方の仕入れ担当の組織がコープ有機。田中さんは自然派さんを担当。水谷さんはアイチョイスさん担当。まだお若いのですが、このお二人の加入によって、一気に産地と噛み合うようになりました。愛知への物流便の構築。増産のご要望に対して、産地での小分け作業が間に合わないと見るや、バラ出しで市場での小分けの形を一気に作り上げられました。生協は、カタログに載るので、数も動くが産地はめちゃくちゃ難しい。「作物の生育、自然のバイオリズムに合わせた商品企画」を細かくアイデアを出していく思考は圧 巻です。二社合併をこれほど上手く利用する事ができるなんて、と驚愕しました。消費者代表の理事が運営するという生協本体の説得にはご苦労されておられると思います。
株式会社わざわざ 平田はる香さま
一年に一度くらいはお会いできる機会があるのですが、会うたびに、驚くほどの進化を遂げられているので、振り切られないように、僕も成長せねばと必死です。田舎でパンと雑貨のお店って、誰もが憧れるがほとんど無理ではないかと思うことをやってのける。「良き暮らし研究所というのを作ろうと思って。だけど収益構造がないので、どうしようかなと思っていて。」というお話を聞いて、数カ月後には「コンビニやることにしました。」と実現してしまう。地方は本当に人がいませんが、それでもわざわざには人が集まる。それがなぜなのかを紐解けたらと思います。
株式会社福島屋 福島徹さま
お会いする前に「産地からとにかく愛されている方だよ。」と、噂は聞いておりました。東京でFデザインという福島会長が開催されたイベントに参加させていただくと、素晴しい醤油メーカー、漬物屋、乾物屋、農業生産者など、ものすごい人数が集まっておられました。そこにJALやJRの役員さんもいらしているのですが、長野の山奥の僕や津軽弁のお米の若手生産者から、アイスキャンディー屋(めちゃくちゃうまい)もいるわけです。それが完全フラットになっている様を見て、「福島さんの世界観は大手の会社も一生産者もフラットなんだな」と強烈に印象に残りました。初めて福島屋羽村本店に伺ったときに、入口のポスターに「農業生産者の可処分所得が500万円くらいないと、未来がないですよ」というような福島さんの言葉が書いてあって、「こんなお店があるのか」と思いました。のらくら農場が売上げ6000万円くらいで行き詰まっていたときに、ブースターをいただいた方です。
<スケジュール>
13:15~14:30
"ちょうどいい"農産物の規格づくりを考える
<スピーカー>
株式会社信濃屋食品 岩崎忠之さま
丸長青果 特命係長 黒澤伸寿さま
生活協同組合連合会アイチョイス 水谷圭介さま
昨今の、高温、旱魃、局所的な豪雨などによる不作に加え、資材の高騰やこれから見込まれる人件費のUPなどのコスト高も重なり、廃業を選択する農家さんも増えているし増えていく(高齢での廃業とは別の流れとして)のではないかと考えています。これまで通りの規格での農産物の入手が困難になるケースはもちろん、そもそも規格云々の前に入手が難しい、ということも発生しているのではないかと思います。規格を切り口に、供給が不安定、不足する中での対応、考え方などを、議論できればと考えています。
14:45~16:00
“らしさ”と規模拡大をどう両立していくか
<スピーカー>
株式会社がいあプロジェクト 清水仁司さま
株式会社わざわざ 平田はる香さま
株式会社坂ノ途中 小野邦彦さま
萩原さん曰く、農家には売上3,000万円の壁がある、とのこと。一定の生産力に加え、組織としてある程度体をなしていかないと乗り越えられないライン。それ以降も、拡大をするごとにそのフェーズごとに乗り越えるべき壁があると思います。それぞれの組織・サービスが持つ“らしさ”を失わずに(むしろ磨きながらかもしれません)、社会的なインパクトの拡大に向けてどう事業規模を拡大してきたのか、しているのか。その中には、表からは見えにくい裏側での徹底的な仕組み化、コミュニケーションの工夫など、ジレンマを抱えながらも乗り越えてきた、まさに向き合っている最中のことが沢山あるのではないかと思っています。
16:15~17:30
安全で美味しい低環境負荷の農産物が当たり前になった時、それでも届けていきたいものとは?
<スピーカー>
株式会社坂ノ途中 バイヤー 鈴木雅之さま
生活協同組合連合会コープ自然派事業連合 田中勇磨さま
株式会社福島屋 福島徹さま
様々な技術の進化などにより、安全で美味しい低環境負荷の農産物が当たり前に流通するようになったとしたら…。そんな未来が来るのか?来るとしたらそれはいつか?の議論は少し脇に置いて、一旦来ると置いた時に、何を届けていきたいか、を議論したいと思っています。もしそんな未来が来なかったとしても、そこに向けて思考し、取り組むに値するテーマなので はないかと考えています。
<お申し込み>
お申し込みは、以下よりお願いいたします。お申し込み後、ご視聴用のURLをご案内いたします。
ご視聴される方お一人さまごとに、お申し込みください。
※お申し込み〆切:2月27日(木)
※全てのセッションを視聴いただけますが、ご都合やご興味に併せて一部のみ視聴いただくことも可能です。
※1週間限定でアーカイブをご覧いただけます。終了後にご案内させていただきます。
<ご視聴に当たっての注意事項>
全員にとって濃い時間になるよう、スピーカーの皆さんによりリアルなお話をしていただける、心理的な安全性が確保された場にしたいと考えています。
そのため、この場で聞かれた“内容そのもの”をSNSなどで発信するのは避け、外に発信される際はあくまで“感想”に留めていただきますよう、お願いいたします。
基本的には、ご自身の思考を深める、ご自身の組織に持ち帰っていただくという形で、還元いただければと思います。