「やらなければ」と「やってはいけない」の隙間を広げる活動 ~こども野菜研究会を通じて~
- 秋山 智美
- 2025年8月24日
- 読了時間: 5分
保けん野菜に加入いただいているご家庭のお子さまと一緒に、オンラインにて定期的に開催しているこども野菜研究会。夏休みの期間、中~高学年のお子さま向けに開催をした夏季特別回では、オフラインでも開催をしました。今回はその様子の一端と併せて、再認識をしたこども野菜研究会での活動について、お伝えさせてください。

こども野菜研究会とは
野菜を切り口に様々なことを楽しみながら学ぶ、野菜の習いごとです。住んでいる地域も学年も異なるこどもたちが、野菜を起点に興味関心を広げ、楽しみながら学んでいます。決まったプログラムをクリアしていくのではなく、お届けした野菜や季節、年中行事、こどもたちのエピソードなどをもとに、各回のテーマを設定し開催しています。
こどもたちの発案で新しい野菜のゲームが始まり、そのルールをみんながより楽しめる形にこどもたち主体で少しずつアップデートをしていくクラス、大好物の納豆についての研究会をやりたい!という提案を「納豆は大豆からできているから、野菜研究会でやれるよね?」と、自ら野菜と結びつけて提案をするクラス、カードゲーム好きが多く、オリジナリティ溢れる野菜カードを作ってみるクラスなど、様子も多様です。
※詳細はこちらの保けん野菜のWebサイトもご覧いただければ幸いです。
夏季特別回の様子
まだ開催途中ではあるのですが、先日オフラインにて開催した際の様子の一端をご紹介させてください。
野菜をじっくり五感で感じる
普段のこども野菜研究会でも基本的に毎回行っているのが、この野菜をじっくり五感で感じる時間。この会では、教材としてお届けした野菜の中から、「ケール」と「ミディトマト」を持参していただきました。
特にケールは初めて食べるという子も多かったのですが、これまでの経験などと繋げながら、それぞれが感じたことを、それぞれの表現で伝えてくれました。以下、その場でこどもたちが感じたケールを言葉にした内容です。
苦い。ピンクグレープフルーツの苦さみたい。
苦いだけではなく、甘い味もある。辛みも。
葉よりも茎の方が苦く感じる。
食べて3秒くらいは甘い。その後、3分くらい苦いのが続く。
固い。
茎の中は白い。
後ろから光を当てると血管みたい。
葉っぱが細かく曲がっている。
トマトと一緒に食べると、苦みを感じない。
色々な味付けや調理を試す
野菜を感じた後は、用意をした様々な調味料、食材を自由に使って、味付けや調理を試してみます。様々な組み合わせを試しながらケールに合うオリジナルのタレを完成させたり、とにかく甘さを加えようと甘いものを色々加えた結果あまり美味しくなくなってしまったり、熱を加えてみたり、トマトは皮の付近が一番甘くて美味しい!と気づき種の部分をくり抜いて使ったり…。
様子を見ていると、私だったら固定観念が邪魔をしてこんな組み合わせを試してみようと思いつかないな、という斬新な組み合わせが沢山あったり、味と体のことを考えた調味料の塩梅を体感として持っていると入れないような、大量の調味料を入れていたり。日常生活だったら、事前にやること自体を周囲が止めてしまうかもしれないことを、まずは思いついたことをやってみる(危険な量を摂取しないよう注意しながら)、そんな時間を過ごしました。
何人かで一緒に一品を作る
一人ひとりが色々な味の組み合わせや調理を試した後は、何人かで一緒に一つの料理を作りあげます。今回は前述の試す時間を長くとったので、みんなで何を作るかをじっくり考えるという時間は取れませんでしたが、色々試しながら得たインスピレーションから、話し合いながら即興で作っていきました。
それぞれが試しながら作ってみた料理に加え、一緒に作ったケールのお味噌汁、ケール・海苔・納豆入り卵焼きなど、初めて食べる美味しい料理をみんなでいただきました。
今回のこども野菜研究会の場の意義
開催をするまで、こどもたちが楽しめる時間になるかどうか、少し心配をしていた部分もあったのですが、終わってみると、こどもたちの好奇心が溢れとにかく盛り上がった時間となりました。
やったこと自体は、日常生活の中にもごく普通に溢れていそうなこと。ご自宅の台所には、もっと多様な調味料や調理器具があり、物理的にはいくらでも試してみたり、色々な料理を作ることができる環境です。にも関わらず、こどもたちがいきいきと盛り上がる時間になったのは、「やらなければいけないこと」と「やってはいけないこと」が普段よりも少し少なく、普段は意識的にかどうかによらず抑えられている好奇心を、発動しやすい時間だったということが、一つの大きな理由だったのではないかと感じています。
今回の場を通じて、こども野菜研究会の活動を通じてやっていることは(今回の場に限らず)、“「やらなければ」と「やってはいけない」の隙間を広げる活動”とも言えるのかもしれないと思っています。これからの時代、やらなければいけないことはAIを含めたテクノロジーでどんどん人間がやらずにできるようになっていくであろうことを考えると、この活動の意義を改めて定義し、しっかりとかたちづくり、広げていくということをやっていきたい、と改めて感じる時間となりました。




































