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お節料理の歴史と込められた想い

  • 執筆者の写真: 秋山 智美
    秋山 智美
  • 2025年12月28日
  • 読了時間: 5分

更新日:6月15日

先日、こども野菜研究会にてお節料理をテーマとした会を行った際に、それぞれの料理にどんな意味が込められているか?をみんなで予想をしてみる、という時間がありました。その際に出てきた予想の一つに「昆布巻きは中に何かが巻かれていることが多いので、中のものを子ども、昆布を親に見立てて“何があっても大切にされている”という意味が込められているのではないか」というものがありました。普段の生活で感じていたり願っていることと重ね合わせながら、一般的に言われているものではないものの、そんな願いを込められたらとても素敵だなと感じるもので、長い歴史の中で色々と形を変えながら今に引き継がれているお節料理に、そのご家庭ごとの願いを込めた意味や料理が加わっていくのも素敵なのではないか、そんなことを感じるエピソードでした。

今回は、これから準備をされる、既に注文をされた、という方も多いのではないかと思うお節料理について、歴史や込められた想いをご紹介させてください。(諸説あるとされています)

お節料理の歴史

中国から稲作が伝わり、狩猟採集の生活から農耕を行うようになるのと共に、収穫に感謝をする風習として伝わった「節供(せちく)」が起源と言われているようです。平安時代には、季節の変わり目である五節句を祝う行事として、宮中で「節会(せちえ)」が行われるようになり、そこで「御節供(おせちく)」という料理が振るまわれていました。

江戸時代になると、以下の五節句を幕府が公式な祝日と定めたことで庶民にも広がり、中でも新年の人日の節句は格別な節句として、豪華で手の込んだ料理が食べられるようになりました。

  • 1月7日:人日の節句(七草の節句)

  • 3月3日:上巳の節句(桃の節句)

  • 5日5日:端午の節句(菖蒲の節句)

  • 7月7日:七夕の節句

  • 9月9日:重陽の節句(菊の節句)


また、大晦日に料理を作り元日に家族で食べたり重箱に詰める風習、料理一つひとつに願いが込められるようになったのは、江戸時代後期から明治時代にかけてと言われています。「おせち料理」という名前が一般的になり、豪華なものを購入するスタイルは、第二次世界大戦後に百貨店などで正月料理として販売をするようになってから。長い年月をかけて、形や目的を変えながら受け継がれてきています。


お重や料理に込められた想い

めでたさを重ねるという意味を込めてお重に入れられるようになったと言われるお節料理ですが、前述の歴史を見てみると、実用的な側面も大きいのではないかと推察しています。段数や地域によっても異なるかと思いますが、五段の場合の一般的な構成と、それぞれの料理に込められた意味をご紹介させてください。いずれも諸説ある内容ですが、それぞれの土地で色々な意味が込められてきたのではないかと思います。


  • 一の重:祝い肴(数の子、黒豆に加え、関東では田作り、関西ではたたきごぼう)

    • 数の子: 卵の数が多いことから、子孫繁栄、子宝。ニシンに“二親”の字をあてて、両親の長寿を願う意味も。また、おめでたい金色も縁起が良いとされています。

    • 黒豆: まめまめしく(勤勉に)働く、まめに(健康に)暮らす。また、シワがなく艶やかな様子から不老長寿に加え、黒い色は邪気払いの意味も込められています。

    • 田作り: イワシを田んぼの肥料にしていたことから、五穀豊穣の願いを込めています。

    • たたきごぼう: ごぼうをたたいて開くことから開運の意味に加え、地中に根を張り成長することから、長寿や家族の繁栄の願いも込められています。

  • 二の重:口取り(甘味のある料理)・酢の物

    • 昆布巻き: “よろこぶ”という語呂合わせに加え、養老昆布や子生という当て字から、健康長寿や子孫繁栄の願いが込められています。

    • 栗きんとん 黄金色の見た目や、漢字表記の金団から、金運を呼ぶ縁起物とされています。

    • 伊達巻: 巻物のような見た目から、学業成就の願いが込められています。

    • 紅白かまぼこ: 縁起の良い初日の出を連想する形に加え、赤は魔除け、白は清浄を意味する縁起の良い色です。

    • 錦卵: 黄身の金色と白身の銀色は豪華な錦を表し、金運上昇の願いが込められています

    • 紅白なます: 人参の赤と大根の白で水引を表現し、平安と平和を願っています。赤は魔除け、白は清浄を意味しています。

    • 酢蓮根: 穴から先が見えることから、将来の見通しきく、明るくなるように、という願いが込められています。また、蓮の花は仏教で神聖なものとされている縁起ものであることや、種が多いことから子孫繁栄の願いも込められています。

    • 菊花かぶ: 菊は邪気を払うと言われており、子孫繁栄、健康長寿を表しています。また菊は日本の国花で、お祝い事でよく使用されています。

  • 三の重:海の幸・焼き物

    • 鰤: 成長に伴い名前が変化する出世魚ということから、出世の願いが込められています。

    • “めでたい”という語呂合わせから、縁起物とされています。

    • 海老 火を通した時の曲がった見た目を老人に見立て、長寿を願った縁起物です。また、目が飛び出している見た目から“めでたし”、脱皮を繰り返すことから成長や発展の象徴とも言われています。

  • 与の重:山の幸・煮物

    • 八頭: 末広がりで縁起の良い”八”、人の“頭”になるということから出世の願いが込められています。また、親芋から子芋、孫芋と(分かれずに)増えていくことから、子孫繁栄も意味しています。

    • 慈姑(くわい) 大きな芽が出ることから“めでたい”ということに加え、真っ直ぐ芽が伸びることから出世の願いも込められています。皮を剥いて六角形や八角形の亀の形にするのは、不老長寿を願ってと言われています。

    • 天に向かって真っすぐと伸びる様子から、健やかな成長、立身出世、家運の向上などの願いが込められています。 子どもの健やかな成長・立身出世・家運向上 出世祈願、子供の健康や家庭運アップ

    • 手綱こんにゃく 手綱を締めるように己の心を引き締める、結び目のような形から良い縁を結ぶ願いが込められています。また、“ん”がつく食材は運がつくということで、縁起物とされています。

  • 五の重:控えの重 神様から福をいただくという意味を込めて、空にしておきます。

ぜひ、お節料理を食べながら、昔の方々が願いを込めてきた歴史に思いを馳せたり、それぞれのご家庭で込めたい願いなどについて、お話してみていただけたら幸いです。 寒さも厳しくなっておりますが、良い年末年始をお過ごしください。

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