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暮らしの変化に伴い減りつつある、“生きた”味噌づくりを繋ぐ

  • 執筆者の写真: 秋山 智美
    秋山 智美
  • 2月8日
  • 読了時間: 5分

更新日:6月15日

先日ご案内をさせていただいた「🍯手前味噌を仕込む会」。私自身、味噌が大好きということに加え、地方での生活で多くのご家庭で味噌を仕込んでいる様子を目の当たりにしたり(販売はしていないのですが、普段皆さんに野菜をお届けいただいている、ないとう農園の内藤さん、のらくら農場の萩原さんも、自家用で味噌を作られています)、味噌がとっても美味しい糀屋さんに出会ったりする中で、“生きた”味噌づくりを楽しみながら繋いでいきた

と思い、開催をすることにいたしました。

今回は生活の変化に伴い減りつつある“生きた”味噌、についてご紹介させてください。また、もしご都合がつきましたら、ぜひ「🍯手前味噌を仕込む会」にも、ご参加いただけたら幸いです。


  • 日程 2026年3月8日(日)14:00~15:30

    ※お申込み〆切:2月28日(土)

  • 場所 東京都世田谷区代田1₋13₋14 さくら花見堂(世田谷代田駅より徒歩13分)

  • 料金 材料費を頂戴しております。 1セット(2.8㎏ほどの味噌が仕込めます):3,000円(消費税込み)

  • 詳細・お申し込み こちらのページをご確認ください。 お申込みはLINEメッセージでも受け付けしております。

味噌の歴史

味噌のルーツは、古代中国の肉、魚、穀物、野菜などを塩漬けにして発酵させた「醤(ひしお・しょう)」にあると言われています。今でも、 豆板醤、甜麺醤、苦椒醤(コチュジャン)、ナンプラーやニョクマムなどの魚醤など、東アジア~東南アジアにかけて各地に、この「醤」が起源と言われる調味料が多数残っています。

日本では大宝律令(701年)に「未醤(みしょう)」という言葉が残っており、飛鳥時代には伝来していたと言われています。この未だ醤にならないものが、味噌に変化したのではないかと言われているようです。余談ですが、味噌を使っているうちに徐々に発酵が進み、茶色っぽい水分「たまり」が出てきたという経験をお持ちの方がいるのではないかと思うのですが、これが醤油の起源と言われています。

平安時代には、贅沢品として貴族などの間でおかずや薬として利用されていた味噌。鎌倉時代になると、武士の間で一汁一菜という食習慣が確立し、味噌汁として食べるようになっていきます。室町時代に入ると、大豆の生産量が増え庶民の間でも味噌づくりが始まり、戦国時代には丸めて乾燥させて味噌玉が兵糧として重宝していたようです。そして江戸時代に入ると、庶民にとっても無くてはならない調味料として定着していったと言われています。


生活の変化に伴う味噌の変化

明治、大正を経て、昭和の高度経済成長期に入っていく過程で、それぞれの家庭で味噌を作るのではなく味噌屋さんから購入するようになり、量り売りからスーパーなどでのパック売りが主流になり、味噌の「発酵(※)」がネックとなってきます。

※発酵とは、微生物(乳酸菌、酵母、麹菌など)のはたらきによって食物が変化し、人間にとって有益を生み出すこと。逆に人間にとって有害な変化を生み出すのが腐敗。
  • 炭酸ガスの発生によるパッケージの膨張(場合によっては破裂) 発酵の過程では、微生物から炭酸ガスなどが発生します。発酵が続いている、つまり微生物のはたらきが継続している状態でパッキングをすると、パッケージ内にガスが溜まり、膨張、場合によっては破裂してしまいます。

  • 購入時点の状態からの変化 微生物のはたらきが続き発酵が継続している状態では、常に味噌そのものの状態が変わっていきます。量り売りの時とは異なり、スーパーに保管、陳列されている期間が発生し、その期間も常に味噌の品質が変化し続けることになってしまいます。


このような背景から、現在は多くの味噌は以下いずれかの処理をすることで発酵を止め、出荷時から品質の変化が発生しないように工夫されています。

  • 加熱処理をして、微生物を死滅させる

  • アルコールを添加して、微生物のはたらきを休止させる


発酵を止めることで安定した品質の味噌を手軽に購入できるようになった一方で、微生物がじっくりはたらき、食べるタイミングにより少しづつ変化をし続ける、“生きた”味噌は身の回りから減っていっています。


繋いでいきたい”生きた”味噌

微生物が生きた状態の味噌ですが、お味噌汁などで加熱調理をすればその時点で死滅をしてしまいますし、生で食べたとしても胃酸などの影響で、微生物が生きたまま腸に届くということは殆どないようです。微生物の働きを止めたもの、そうでないもの、いずれの場合も、死滅した菌が腸内で善玉菌のエサになるなど、腸内バランスを整える効果があるとの効果があると言われています。

“生きた”味噌の機能的な特徴としては以下のようなものが挙げられますが、個人的にはそれ以上に、気持ち良さ、変化していく楽しみ、待ち遠しさなど、日常の中でのちょっとした豊かさなのかなと感じています。

  • 香り: 生きた酵母は、熟成中も芳醇な香り成分を生み出し続けます。

  • 旨み・コク:微生物が生成した酵素により、深みのある旨みやコクが出てきます。

  • 酵素のはたらき(生で使う場合):魚や肉を柔らかくしたり、消化を助けます。

毎年作り続けていくことで少しづつ家の味になっていくなど、思い出、思い入れがこれから足されていくのも楽しみです。ぜひ、みなさんと一緒に、小さく”生きた”味噌を繋いでいけたら幸いです。

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