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注意が必要な自然毒⚠️

  • 執筆者の写真: 秋山 智美
    秋山 智美
  • 2024年5月4日
  • 読了時間: 6分

更新日:2024年6月4日

GW後半は夏日となる地域も多く、春から一気に夏に向かっていくのを感じる一方で、季節が少しだけ遅れてやってくる長野県佐久穂町では、ここ数日は“霜”注意報が出るなど朝晩は冷え込む天気となりました❄️

まだ暑くなり切らないこの時期、長野では山菜を目にすることが多なります。スーパーや直売所に並ぶのはもちろん、山菜を採っている方を見かけたり、私自身も独活(ウド)や筍(タケノコ)、蕗の薹(フキノトウ)で作った蕗味噌をいただいたり、何十年ぶりかに蓬(ヨモギ)を摘んでお団子やパスタにして食べたり…と、山菜や野草に触れる機会が増えています。

そんな季節を感じる山菜や野草ですが、注意をしなければいけないのは食中毒です。また、山菜や野草だけでなく、家庭菜園でも同じく食中毒に注意が必要です☝🏻 今回は、加入者の皆さんの中でもご家庭で野菜の栽培を始められた方が少しづつ増えているこのタイミングで、食中毒の原因となる「自然毒」の注意が必要な野菜についてお伝えさせてください。

蓬(ヨモギ)

かてい農園の広がり

やさい研究会を通じて子どもたちと一緒に育て始めたことをきっかけに、研究会で育てた野菜に留まらず、かてい農園を広げられている方が少しずつ増えてきました🌱中には「苦手な野菜も自分で育てたものだったら食べられるかもしれないから、育ててみようかな。」という子も。育つ環境を調えながらその過程を見守ってきた野菜には、どんなに美味しい野菜を買って食べるのにも代え難い経験が詰まっており、これから育てたものを食べられるのが楽しみです。

ただ野菜には、食べる場所やタイミング、育て方などによって毒があるものや、毒のある別の植物と間違えやすいものも😖以前のブログでもお届けした内容と重なるものもありますが、食中毒の発生状況と併せて、改めて注意が必要な野菜をご紹介させてください。


食中毒の発生状況

食中毒には、寄生虫、細菌、ウィルスなどのほかに、動植物が持つ自然毒によるものがあります。その中でも植物性の自然毒による食中毒の発生状況(保健所が把握しているもの)が、こちらのグラフです。キノコ類が原因のものが多いのですが、中身を見てみると家庭菜園で起こりやすいものも。件数は多くないのですが、知っておくことで、何かおかしいかも?という時に気づき、食中毒を防げるかと思います。ぜひ、どんな野菜で発生しやすいのかや、見分け方などを、頭の片隅に置いておいていただけたら幸いです。

※最後に実際に発生した食中毒の事例も記載していますので、もし良ければご覧ください。

厚生労働省「食中毒統計資料」を基に作図

注意が必要な野菜

🥔じゃがいも(ナス科)

芽やその根元周辺、緑色になった皮や実に特に多く含まれる『ソラニン』や『チャコニン』という成分が、吐き気やおう吐、下痢、腹痛、頭痛、めまいなどの症状を引き起こすと言われています。学校での食中毒が数年ごとに発生をしており、お子さまが知識を持っておくことも大切かもしれません。

芋が出来てくると浅い場所にできたものに日が当たり『ソラニン』や『チャコニン』が生成されてしまうため、農家さんでは“土寄せ”と言って土を株元に盛ったり、黒いマルチをして光を遮ります。ご家庭で作られる際も、芋に日が当たらないようご注意ください。

※同じナス科のトマトやナスも、葉や茎は毒があり食べられません。

(左)芽が出たじゃがいも (右)緑色に変色したじゃがいも・変色していないじゃがいも ※農林水産省HPより

🥒ズッキーニ(ウリ科)

あまり食中毒のイメージがない野菜ですが『ククルビタシン』という成分が原因で、下痢や嘔吐、腹痛などの症状を引き起こすことがあります。現在、食用で栽培されている品種では葉や茎には多く含まれているものの、実には殆ど含まれていませんが、生育環境などにより極稀に含有量が多くなるケースがあります。見た目では判断が難しいため、強い苦味・えぐ味を感じたら食べるのをやめることで防ぐしかないようです。

※同じウリ科のキュウリ、カボチャ、トウガンなども同様です。

見た目では毒の有無の判別が難しいズッキーニ

🌿モロヘイヤ(アオイ科)

モロヘイヤの莢(さや)や種子、発芽から暫くの期間の茎や葉には『ストロファンチジン』という、強心作用があり不整脈やめまい、嘔吐などの症状を引き起こす成分が含まれています。莢1つでブタの致死量を超えるとも言われており、アフリカの原住民が矢毒として使っていたほど毒性の強い成分ですが、通常、野菜として食べる収穫適期の葉や茎には殆ど含まれていません。これまで市販品での検出事例も無く、基本的には安心して食べていただけます。

ただ、ご家庭で育てる場合は、莢や種子を一緒に食べてしまわないよう、収穫タイミングが早すぎないよう、十分な注意が必要です。

※同じアオイ科のオクラは、むしろ莢を食べる野菜です。

毒を持つモロヘイヤの莢(さや)

🫘インゲンマメ・ダイズ(マメ科)

生のインゲンやダイスには『レクチン』という糖と結合するタンパク質が原因で、嘔吐、下痢などを起こすことがあります。乾燥させた豆は水でしっかり戻した後、沸騰状態で10分以上加熱することで分解されるため、一般的な調理をしていれば大丈夫です。

※マメ類には基本的にレクチンが含まれています。豆の成熟に伴って生成されるため、未熟な状態で食べるサヤインゲン、キヌサヤ、スナップエンドウなどは含有量は少ないようですが、加熱調理が安心です。

加熱が必要なインゲンマメ (大福豆・金時豆・虎豆)

🥬ニラ⇔スイセン

食中毒の事例として、庭で育てていたニラとスイセンを誤って食べてしまうケースが非常に多くありました。花が咲いていればすぐに分かりますが、どちらも葉だけとなり見分けのつきにくい春に多く、ご家庭で両方育てる場合は離れた場所で育てる、スイセンの葉を切ったものを置いておかないなど、誤って食べてしまわないよう注意が必要です。スイセンにはニラ特有の香りはないため、匂いを嗅ぐというのが分かりやすい判別方法です。

(上)スイセン (下)ニラ ※長野市HPより

(番外編:果物)🍏青梅(バラ科)

これからの季節、青梅をシロップや梅酒、梅干しなどを作ろうと思われているかも、いらっしゃるかもしれません。ただ青梅や種には、『アミグダリン』という体内でシアン化合物という有毒物質を作り出す成分が含まれており、多く摂取すると、頭痛や嘔吐、めまいなどの症状を引き起こします。漬けるなどの加工をすることで分解され食べられるようになるのと、熟した果実にも殆ど含まれていません。

※同じバラ科のモモ、スモモ、アンズ、ビワ、リンゴなども同様です。

加工が必要な青梅

今、私たちの周りにある植物は、様々な性質や環境などにより、結果的に子孫を残せてきた種。とってもシンプルに考えると、動物が食べることで種が広がるというケースやタイミングを除けば、動物に食べ尽くされなかった植物が残ってきたと言っても良いかもしれません。食べ尽くされなかった要因の一つが“毒”と考えると、多くの植物が何かの動物にとっての毒を、どこかに、どこかのタイミングで持っていることの方が多いと考えた方が良いかもしれません。

そんな植物の中から、人が食べるのに適した性質のものを選抜し、改良を積み重ねてきた賜物が野菜です。何かの拍子に変異が起こり元来持っていた毒が強くなる個体があるかもしれないことを考えると、頭の片隅にちょっとした知識を入れておくこと、人間が危険を察知するために発達してきたと言われる“苦味”や“酸味”などの味覚を研ぎ澄ませることが、食中毒を防ぐ上で大切なことだと思っています。



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