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流通を担う皆さんと農業を考える会 ~議論テーマとその背景~

  • 執筆者の写真: 秋山 智美
    秋山 智美
  • 2025年3月1日
  • 読了時間: 4分

更新日:2025年3月1日

のらくら農場 萩原さんの、身近な農業仲間が廃業をしていく中で感じられた、言葉にし切れない悔しい思いをきっかけに11月に開催をした「のらくら農場で ”農業をする” を学び合う」会を皮切りに、仲間で知恵を出し合い、協力し合い、何とかしていくための場づくりを行ってきました。

その中で再認識した、野菜の生産に留まらない連携や変化の必要性から、昨日2/28(金)「サムライバイヤーの会」と題して、のらくら農場 萩原さんがこの方は!と唸るバイヤーや経営者の皆さんにお越しいただき、流通×農業を考える会を開催しました。

今回のブログでは、この会で皆さんと議論をしたテーマとその背景をお伝えさせてください。次回以降、会を経て私自身が改めて感じたこと、皆さんにぜひお伝えしたいと思ったことを、何回かに分けてお届けしたいと考えています。

"ちょうどいい"農産物の規格づくりを考える

規格外野菜という言葉は、最近よく耳にするという方も多いのではないかと思います。この言葉から、全国統一の規格があるように聞こえるかもしれませんが、形や大きさなどを全国統一で規定した規格は現在では存在しません。野菜は工業製品とは異なり一つひとつ個体ごとに形や大きさなどが違うため、“取引先ごと”にどのような野菜を納品するかを設定しています。

そんな野菜の規格ですが、特に今年はバイヤーさんがこの規格をどうするか?頭を悩ませることがとても多かったとのこと。昨今の高温、旱魃、局所的な豪雨などによる不作に加え、数年前から続く資材や輸送費の高騰、これから更に上がっていく人件費など、コスト高も重なり、廃業を選択する農家さんも増えており、更に増えていくのではないかと考えています。

そのため、これまで通りの規格での農産物の入手が困難になるケースはもちろん、そもそも規格云々の前に入手が難しい、ということも発生しているのではないか考えています。“規格”を切り口に、供給が不安定、不足する中での対応、考え方などを、流通の皆さんと一緒に議論し、生産者の皆さんとの良い連携を作っていきたいと思い、テーマを設定しました。

※規格外野菜については、ぜひ以前のブログ「“規格外”野菜について考える」も、ご覧いただければ幸いです。


“らしさ”と規模拡大をどう両立していくか

前述の通りコスト高がこれからも見込まれる中、コストメリットを得られる程度の規模感が、今後、生産を主体として経営を継続していく農家さんにとって、より必要となってくるのではないかと感じています。その規模感は、のらくら農場 萩原さん曰く売上3,000万円程度ではないか、とのこと。これは少なくとも現在においては、夫婦だけでの経営では難しく、一定の生産力に加え、組織としてある程度体をなしていかないと乗り越えられないラインです。

今後、この規模の壁を越えて継続していける仲間を増やしたいと考えた時に、小さくやっていた時には持っていた、そして大きくしていく時にも失いたくない“らしさ”の壁があるのではないかと思っています。 業態は違うものの、社会的なインパクトの拡大に向けて事業を拡げてきた流通の皆さんが、どのようにジレンマを乗り越えてきたのか、そんな議論ができればと思い、テーマ設定をしました。


安全で美味しい低環境負荷の農産物が当たり前になった時、それでも届けていきたいものとは?

これまで継続的に、農家の皆さんとクレイジータンク竹鼻さんとの対談という形で議論をしてきた、テクノロジーとの向き合い方。流通に携わる皆さんにもぜひお考えを伺い、一緒に考えていきたいと思い、このテーマを設定しました。

これまでは、手仕事に近い形でしか難しかったかもしれない「安全で美味しい低環境負荷の農産物」の生産が、テクノロジーの進化により、例えば自然エネルギー×野菜工場という形で実現する未来がくると考えています。今、謳っている“安全”、”美味しい”、“環境負荷が低い”などが、テクノロジーの活用で当たり前となった時に、それでも届けていきたいものは何か?また、もしそれだけの未来にはしたくないと考えた時に、今、何を考えやっていくべきなのか?すぐに答えがでる問ではないと思いますが、そんな思考をしっかりして、行動していくことが大切なのではないか、と感じています。

今回の場で流通に携わる皆さんと議論をしたテーマですが、ぜひ、皆さんも生活者として、もしくは皆さんの仕事に置き換えて、思考を巡らせてみていただけたら幸いです。

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