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畑で余った肥料による水質汚染

  • 執筆者の写真: 秋山 智美
    秋山 智美
  • 3月9日
  • 読了時間: 3分

更新日:6月14日

現在、私は飲料水などの生活用水として地下水を利用しているのですが、特に飲料用として日常的に使用するに当たっては、水質が気になり検査を行っています。自然に存在するもの、工場などから排出されるもの、農業に関わるものでは農薬に加え、特に畑への投入量などの規制のない肥料による汚染も課題となっています。今回は、畑で余った肥料が原因となる硝酸態窒素による水質汚染の状況について、共有させてください。

野菜に不可欠な一方で畑から流れていきやすい硝酸態窒素

前回のブログ「野菜の成長に欠かせない“硝酸塩”」にて少し触れさせていただいた通り、野菜の成長において、野菜が吸収しやすい硝酸イオン(NO₃⁻)の状態での窒素は農業において欠かせない成分です。ただ、一般的に負(マイナス)の電荷を帯びている土壌と反発し合い、雨などが降ると流れていきやすい成分でもあります。畑から流れ出した硝酸態窒素は、地下に浸透していき地下水に混ざっていったり、水路などを通じて河川・海洋に流れていきます。


地下水質モニタリングにおいて最も基準値の超過が大きい硝酸態窒素

1982年に実施された地下水質の全国的な調査の結果を受けて(3~4%の井戸において、WHOの飲料水質ガイドラインを超過していることが判明)、1989年より実施されている地下水質モニタリング。硝酸態窒素については1999年に基準項目に追加され、基準値を超過している井戸が最も多い項目となっています。超過の原因が分かっているもののほとんどが過剰な肥料投入となっており、残念ながら農業が地下水の汚染に大きく関与してしまっているのが現状です。

都市部では地下水を利用することが殆どないかと思いますが、全国的には水道水源の約25%が井戸水や伏流水など、地表水(ダムや河川の水)以外の水と言われています。また、長期にわたって広範囲に影響を与えうる水源、緊急時に頼らざるを得ない水源などとしても、安全な水質が求められるものだと考えています。


河川や海への硝酸態窒素の流出による生態系への影響

時間をかけてじっくりと影響が出てくる地下水だけでなく、よりダイレクトに影響を受けるのが、河川や海への流出です。過剰な窒素の流入により、プランクトンの増殖など、急激な生態系の変化に繋がります。中でも大きな要因となっていた、生活排水、工業排水に含まれる窒素は大きく減少している一方で、水田や畑など農業関連の数値はあまり変わっていないのが現状です。 特に日本では化学肥料の原料の殆どを輸入に依存している中、過剰に投入した分が流出をして環境に負荷を与えており、利用量の低減に向けた動きが進められています。

すぐに皆さんの生活に直結するものではないかと思いますが、野菜の向こう側にある環境負荷という観点で、知っていただけたら幸いです。

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