製本した「あほーだんす」のお届けを開始しました
- 秋山 智美
- 2023年10月14日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年12月19日
ないとう農園(埼玉県伊奈町)の内藤さんが“内藤農園”というペンネームで書かれた著書「あほーだんす」の第12回小島信夫文学賞受賞を記念して、来月11月4日(土)に“ノウ地巡礼”と名付けたイベントを開催します。
“ノウ地巡礼”の詳細・申し込み、「あほーだんす」の購入はそれぞれ以下をご確認ください。冊子だけの購入(送料込み1,500円)も可能ですので、お気軽にご連絡ください。
開催に向けて、受賞作品「あほーだんす」の製本を進めており、今週からお届けを開始しました。本日は改めてイベントのご案内と、製本にまつわるエピソードをお伝えさせてください。

開催の背景
きっかけは冒頭に記載の通り内藤さんの受賞なのですが、そこには2つの思いがありました。一つ目は純粋にお祝いをしたいというもの、もう一つはもっと内藤さんを知りたいというものでした。
対面やオンラインでお話はしていたものの、まさか小説を書かれる方とは、そして受賞までされるとはと、驚きを隠せませんでした。まだまだ知らない内藤さんを知ることで、普段いただいている野菜をまた違った感覚で食べられるのではないか、そんなことを思い、小説が生まれた農地であるないとう農園さんを、そして生みの親である内藤さんの脳内を巡る、そんな時間を過ごしたいと思い“ノウ地巡礼”を行うことにしました。
「あほーだんす」を読んで
開催の背景の一つであった“内藤さんを知りたい”という思いがより一層強くなったのは、「あほーだんす」を読んでからかもしれません。読まれた方は共感いただけるかもしれませんが、なかなか難解な作品で、複雑な構成、独特な文章、世界観が凝縮されている作品で、読み終わった後に良い意味ですっきりしないものでした。
ただ改めて思い返してみると、内藤さん自身を投影されているような感覚もあり、著者に聞くというのは野暮かもしれないと思いつつ、許すのであればご本人に色々と聞いてみたい、そんな思いが強くなりました。
製本をした背景
前述のような背景で開催することになった“ノウ地巡礼”のメインは、やはり受賞作品である「あほーだんす」です。ただ、この時点であったのは受賞時に配布されたという冊子のみ。野菜をいただいている私たちにとってもとても大切な作品として、1冊の本という形で手元に残しておきたい、丁寧な形でお祝いをしたい、そんな思いで製本をすることにしました。
小島信夫文学賞の会事務局の方の思い
製本をするにあたっては、小島信夫文学賞を運営されている事務局の方からのコメントをいただきたいと思い、イベントの概要や製本の背景と共にお願いのご連絡をしてみました。返信が無いことを覚悟していたのですが、以下のような温かいメッセージと共に、快く本へ掲載するコメントをお送りいただきました。
それにしても、内藤農園さんの作品を畑で読む会とは、素敵な企画です。 難解な作品でしたが、埼玉の農園の風景にとてもマッチするように思います。 盛会をお祈りいたします。そして、どうかお天気にも恵まれますように。
改めて、内藤さんがこの賞に関わる方々の思いを背負っているのだということを、感じるやり取りでした。
1冊ずつ異なる表紙
表紙は「あほーだんす」そして内藤さんのイメージにぴったりの紙を選ぼう、と思い紙屋さんへ向かったのですが、いざ選び始めるとなかなか決まりませんでした…。というのも、小説も内藤さんも、見方によって、捉え方によって、さまざまな側面を持っているように感じるからだと思います。また、この本が渡る先も様々であることを考えると、ある特定のイメージを決めてしまうのではなく、多様な表紙にするのが良いのではないかという結論に至り、冒頭の写真のような1冊ずつ異なる表紙で製本をすることにしました。
このような背景、経緯で製本した「あほーだんす」。本文内にも記載の通り少し難解な小説ですが、ぜひ読んでみていただければと思います。


