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農産物の環境負荷軽減に関する新たな表示ラベル

  • 執筆者の写真: 秋山 智美
    秋山 智美
  • 2024年3月2日
  • 読了時間: 4分

農林水産省が推進をしている、農産物の生産における環境負荷軽減の取り組みを見える化する新たな表示ラベルの運用が、3月1日からスタートしました。まだこのラベルの付いた商品が置いてある店舗は限られていますが、もしかするとこれから目にすることがあるかもしれません。今回はこの新たなラベルの概要を、お伝えさせてください。



新たに運用が始まったラベルの概要

温室効果ガスの削減、生物多様性の保全に繋がるとされている“取り組み”を、3段階で表示したラベルです。生産者からの自己申告に基づいて農水省が登録番号を発行することで表示をすることができるもので、第三者による認証などはありません。


対象品目

現時点では対象品目が以下の23品目に限定されています。

穀物

いも

ばれいしょ(じゃがいも)、かんしょ(さつまいも)

野菜

トマト、キュウリ、ミニトマト、ナス、ほうれん草、白ネギ、玉ねぎ、白菜、キャベツ、レタス、大根、にんじん、アスパラガス、いちご

果実

リンゴ、みかん、ぶどう、日本なし、もも

その他


温室効果ガスの削減

当該地域での一般的な栽培方法と比較した温室効果ガスの削減度合いに応じて、以下の通り評価を表示しています。

  • 星1つ★  :削減率5%以上

  • 星2つ★★ :削減率10%以上

  • 星3つ★★★:削減率20%以上


利用した燃料、農薬、肥料、プラスチック資材などの量に加え、緑肥やバイオ炭という土壌に炭素を蓄えられるとされている資材の利用状況、廃棄野菜や収穫を終えた野菜の扱い(廃棄をするのか、畑に返しているのかなど)など、温室効果ガスの排出量との関連が現時点で一定把握できている取り組みの有無から、農産物10㎏あたりの温室効果ガスの排出量の理論値を算出します。


生物多様性の保全

前述の温室効果ガス削減への貢献度合いの評価を行った上で、追加の指標として表示ができる指標です。生物多様性の保全にプラスの影響があるとされている取り組みごとに、1~2点の点数が設定されており、合計点に応じて以下の通り評価を表示しています。

  • 星1つ★  :合計点1点

  • 星2つ★★ :合計点2点

  • 星3つ★★★:合計点3点以上

具体的には、化学農薬・化学肥料を不使用の場合は2点、化学農薬・化学肥料を当該地域の基準値から50%以上低減の場合は1点、隣接する畦(あぜ)への除草剤不使用の場合は1点など、7項目の取り組みのが設定されています。



有機JAS認証の概要

農産物に表示されているラベルでは既に有機JASがありますが、こちらについても改めて概要を整理できればと思います。

ラベルの表示基準

農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として生産された食品を、認証機関による検査を経て認証しています。認証の基準としては主に以下のようなものがあり、生産工程管理記録の提出や実地検査を毎年行います。

  • 利用が認められていない肥料や農薬などを使っていないか

  • 遺伝子組み換えの技術を利用していないか

  • 周辺から利用が認められていない農薬などが流入しないように対応しているか

  • 種子や苗は利用が認められていない肥料や農薬などを使わずに生産されたものか

  • 収穫後の選別や貯蔵、輸送などの管理は適切か


認証を取得している割合

2021年時点で日本の耕作面積のうち、有機JASの認証を得ている農地は全体の0.3%程度、そのうち76%がお米です。認証は得ていないが有機農業が行われているという農地も併せると0.6%程度で、のらくら農場さん、ないとう農園さんもこれに該当します。

日本の多湿な環境の中では、有機栽培で生産をするのは難易度が高いこと、手間がかかり技術が必要な分を価格に反映することが難しいこともあり、かなり低い割合となっています。農林水産省では、2050年までにこの割合を25%にすることを目標に掲げています。


いずれのラベルも、これが表示されているものを買えば安心、表示されてないものよりも表示されているものの方が良い、という単純なものではないと思っていますが、スーパーなどで見かけることもあるかと思います。何を意味しているものなのか、何となく頭の片隅に置いておいていただけたら幸いです。

今回は農産物に表示をされることのあるラベルそのものについてお伝えさせていただきましたが、次回はこのようなラベル導入の背景や今後について考えてみたいと思っています。国際的なサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量開示義務化や、EUでのグリーンウォッシュ禁止法可決などの動きも踏まえて、だからこそ価値になってくるものがあるような気がしています。

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