野菜お汁粉づくりを通じて考える年中行事
- 秋山 智美
- 2025年1月4日
- 読了時間: 4分
更新日:2025年5月2日
明けましておめでとうございます。本年も、どうぞよろしくお願いいたします🎍
いつもより少し長めの年末年始となった方も多いのではないかと思いますが、いかがお過ごしでしょうか?昨日、保けん野菜では鏡開きより一足先に野菜お汁粉づくりを開催いたしました。今回は、鏡開きに向けて行った野菜お汁粉づくりをご紹介させてください🥢

鏡開きとは
社会や生活の変化と共に実感を伴わなくなり、何となく耳にしたことがあるけど良くわからない、関係するものを食べれば良い方、という程度になることも多い年中行事。ご存じの方も多いかもしれませんが、改めて多くの地域では来週1/11(土)に迎える鏡開きの前に、由来を振り返ってみたいと思います。
鏡餅
室町時代から始まったと言われる、鏡餅をお供えする風習。当時とても貴重で神秘的な存在だった鏡に見立てた丸い餅を2段重ね、“太陽と月”を表したと言われています。
時代を経る中で、茶道や華道が盛んになった平安時代には床の間に飾られるようになり、江戸時代には男子は鎧などの武具を飾る“具足餅”を、女子は鏡台の前に“鏡餅”を供えるようになっていったようです。
鏡餅に使われるものには、以下のような意味が込められています。串柿(串に刺して作った干し柿)を乗せて丸餅、橙と合わせて三種の神器に見立てたものや、昆布、するめなどの縁起物を乗せるケースもあるようです。
橙 :家が代々栄えるように
丸餅 :福が重なる、円満に年を重ねる
裏白 :古い葉が落ちずに新しい葉が出てくる、生命力と長寿の象徴
ゆずり葉:世代が譲られて続いていく、子孫繁栄を願って
四方紅 :四方を紅で縁取り、天地四方を排して災いを払う
紙垂 :雷を象徴した形で豊作を願う、神聖な空間を示す
三方 :仏・法・僧の三宝に由来するとも言われる
鏡開き
お供えをして宿った神様の魂の力を授けてもらい、1年の無病息災を願う風習として、お供えをしたお餅を割ってお雑煮やお汁粉に入れて食べます。お供えものに刃物を向けるのは縁起が悪いため包丁は使わずに木槌で割り、“切る”や“割る”ではなく縁起の良い“開く”という言葉が使われているそうです。
また、現在多くの地域で1/11前後に行われる鏡開きですが、江戸時代初期までは1/20の行事だったようです。徳川家光の忌日が1/20のため、1/11に改められたのではないかとも言われています。
野菜お汁粉づくり
三が日ということもあり少人数での開催となりましたが、振るまった親戚の子どもたちが美味しく食べたり、作って食べられた方からも「美味しかった!」というお声をいただきました。お汁粉づくりでは馴染みのない材料を使っていますが、もし宜しければぜひ鏡開きの際など、ご自宅でお試しいただければ幸いです。
お正月にちなんで、少し無理やりではありますがそれぞれの食材に込めた意味と、作り方をご紹介させてください。
食材とそこに込めた意味
ケール白玉
白玉粉: 細かな粒と高いデンプン質で滑らかな食感から、どんな社会においてもしなやかに生きる
ケールパウダー: キャベツ、ブロッコリーなどの多くの野菜の祖先となっている原種に近い野菜ということから、ものごとの本質を見極める、いつまでも続く
水
氷水(冷やす用)
里芋餡
里芋: 親芋、子芋、孫芋と増えていく姿から、子孫繁栄
白ごま(すりごま): メソポタミア文明では天地創造の神話で神が人間の世界を作るときにゴマ酒を飲んだと伝えられていることから、物事を生み出す創造力、また高い栄養価から健康祈願
柚子の皮(お好み): 強い香りで邪気を払う、融通が利く
砂糖
塩
水(豆乳や牛乳に置き換えてもOK)
作り方
ケールの白玉
鍋で茹でるためのお湯を沸かし始めます。
白玉粉にケールパウダーを入れ、よく混ぜます。
水を加えてよく混ぜ、耳たぶほどの硬さに調整します。 ※水を入れすぎてしまった場合は、キッチンペーパーを押し付けると水分を抜くことができます。
食べやすい大きさの団子を作ります。
鍋のお湯が沸騰したら、団子を入れます。
浮かんできたものから取り出し、氷水で締めます。
里芋餡
里芋は良く洗い、レンジで柔らかくなるまで加熱します。
皮を剥いたら、マッシャーでよく潰します。ブレンダーの場合は水を加えて撹拌します。
鍋に里芋を入れて水(豆乳や牛乳に置き換えてもOK)を加え、とろみを調整します。
すりごま、塩、砂糖を加えてよく混ぜ、甘さを調整します。
盛り付け
器に白玉、里芋餡を盛り、お好みで柚子の皮を乗せたら完成です。

年中行事との向き合い方
伝統的な年中行事で使われる材料は、きっとその多くがその季節にその土地で手に入るものに、様々な意味を込めて利用されていったのではないかと想像しています。そう考えると、これまでの習わし通りに形を繋いでいくことはもちろん価値があるものの、これまでの由来を知った上でそれぞれの”意味を込める“、ということが大切なのではないかと思っています。これからも季節ごとに、現代の生活の中で楽しめる形で、意味を込めた会を作っていきたいと思います。









