食品添加物について考える ~食品選びの観点~
- 秋山 智美
- 2025年2月15日
- 読了時間: 7分
更新日:2025年8月5日
前回のブログでは、食品添加物の基本情報をお伝えさせていただきました。今回はそれらの内容も踏まえて、私自身の食品添加物についての考え方と、数ある食品添加物の中からいくつかの観点で意識的に避けている添加物をお伝えさせてください。

日本における食品添加物の安全性
天然香料や一般的に飲食に利用されている食品を添加物の用途として利用する一般飲食物添加物を除くと、日本で利用されている添加物は以下に分類されます。
指定添加物 様々な動物実験を通じて摂取量と生体への影響を確認した上でリスク評価を行い、人の健康を損なう恐れが無いと判断されたものです。成分の規格、使用量などを定められています。
既存添加物 日本において広く使用され、長い食経験のある天然の添加物です。順次、安全性評価、及び流通実態の調査を行い、適宜削除されています。
これを踏まえると、現在確認できる観点においては、少なくとも大きなリスクがあるものではないと考えて良いのではないかと思うことに加え、特に保存期間中の劣化を防ぎ様々な菌による汚染を防ぐという観点において、今の食生活を支えるものとなっていると考えています。
一方で、以下のような観点で不安も残るというのが、私自身の感覚です。
複数の食品添加物の摂取による影響 前回のブログ「食品添加物について考える ~食品添加物の基本情報~」でもご紹介させていただいた通り、個々の食品添加物においての安全性評価はされていますが、複数の添加物を摂取した場合の影響については評価されていません。しかし、中には発がん物質を生成する組み合わせも存在しています。 ※2007年3月、内閣府 食料安全委員会「食品添加物の複合影響に関する情報収集調査」にて、食品添加物の複合的な摂取による“有害な影響を及ぼす可能性は極めて低い”と報告されています。
使用量などのミスが発生した場合の影響 食品添加物により、人体への影響を鑑みた使用量の基準が設定されています。基本的にこの基準内での使用になっているはずですが、何等かのミスや偏りによりそれを越えるという可能性がゼロとは限らないと考えると、特に使用量の上限が小さいものについては不安が残ります。 ※ただし、発生頻度は低いであろうこと、そもそもの許容量に人体への影響に対するバッファが設けられていることを考えると、考慮不要という考え方もできるかもしれません。
現在の安全評価では表れていない何らかの影響 様々な動物実験を通じて安全評価がなされていますが、ミネラルの偏りや吸収のされ方、腸内環境や味覚への影響など、現在の基準では特に懸念とされていないものの無視できないのではないか?と感じています。どこまでいっても100%というものはないと思いますが、気になる観点です。
意識的に避けている食品添加物
不安が残ると言っても、一定の安全性が担保されており、多くの食品に食品添加物が入っている中で避ける方が大変ということを考えると、気にする範囲、観点を持っておく、というのが現実的なのかなと考えています。
前述の観点も踏まえて、私自身が意識的に可能な範囲で避けている食品添加物とその背景をご紹介させてください。網羅的な観点ではないかもしれませんので、もし、皆さんの中でもお気づきのことや気になることがありましたら、ぜひお知らせいただけたら幸いです。
主に見た目を良くするためのもの
個別の添加物ごとに安全性という観点で気になるものがあることに加え、そもそも見た目を良くするための添加物は不要という感覚を持っており、一人の消費者として使用を求めていないという意志表示としても、着色料、発色剤、漂白剤などは、出来る限り避けています。幼い頃から避けていたこともあり、むしろ見た目が悪いという感覚を持ってしまっているということもあるかもしれません。
組み合わせにより発がん物質を生成するもの
個々では発がん性が確認されていないものの、組み合わさることで発がん性が確認されているものがあります。現在の使用基準においては有害な影響を及ぼす可能性は極めて低いという報告もありますが、出来る限り避けたいものと考えています。
安息香酸(保存料)+アスコルビン酸(酸化防止剤/ビタミンC) 結合して、発がん性のあるベンゼンを生成します。日本においては、2006年にこの2つを含んだ清涼飲料水から基準値を超えるベンゼンが検出され、商品回収をしたという事例があります。ビタミンCは添加物としてだけでなく、一緒に摂取する食品に含まれていることも多いため、安息香酸(保存料)の摂取を気にしています。
亜硝酸塩(発色剤)/硝酸塩(発色剤)+ソルビン酸(保存料)/レシチン(乳化剤)/その他様々な食品 硝酸塩は体内で亜硝酸塩に変化し、肉や魚の成分など食品中の様々な物質と反応して、発がん性のあるニトロソアミンを生成します。食品添加物では、ソルビン酸(保存量)、レシチン(乳化剤)などと反応します。ただし、普段摂取している硝酸塩は野菜などに含まれているものが殆どと言われています。“えぐ味”のある野菜や硝酸塩の入った食品は、茹でることで含有量を減らすことができます。
使用量の上限が小さいもの
食品添加物には使用量の基準が設定されているものがあります。調理のロットなどによってもその可能性が異なるため一概には言えませんが、その上限が小さいものは、何らかの影響で摂取量が増えた時の影響が大きいのではないかと考えています。
防腐剤・防かび剤 直接食べるものではなく、主に果物などに噴霧するものです。毒性が高く、残存量の上限が極めて小さいため、出来る限り避けたいものです。
ナイシン(保存料) 保存量の中でも使用量の上限が小さく、抗菌作用の強い保存料です。少量で効果を発揮するという面では使い勝手の良い食品添加物という評価もできるのですが、多く摂取しすぎた場合の懸念という観点であげています。
その他
リン酸塩(安定剤、結着剤、乳化剤) リンは様々な食品に含まれ、生命維持に必要なミネラルですが、食品添加物としてのリンは“無機リン”と言い腸からの吸収率が高く、腎機能の低下を誘発すると言われています。また、ミネラルは全体のバランスが崩れると他の成分の摂取を抑制する特性があるため、リンの過剰摂取により、カルシウムやマグネシウムなど他のミネラルの吸収が抑制されます。
アスパルテーム(甘味料) 世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC)が発がん性を「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」と位置付けています。ただし、確固たるエビデンスは無いことに加え、現在の摂取量が少ないことから、内閣府 食品安全委員会では使用そのものや使用基準の変更は行われていません。発がん性には閾値は無いと言われていることを鑑みると、摂取を控えておくという選択をしても良いのではないかと思っています。
その他 人工甘味料・うま味調味料 カロリーを抑えながら甘みを味わったり、塩分を抑えながらうま味を味わうことができる、適切な活用は有用な可能性がある一方で、分かりやすい甘み、旨みに舌が慣れたり、人工甘味料については腸内環境へに影響も指摘されています。使われているものがとても多いので、時に少し控えてみることもあると良いのではないかと思っています。
原材料を見ると、見たことの無い食品添加物の名前が載っていることもあるかと思います。基本的に安全とされているものなので怖がりすぎる必要はないかと思いますが、体に入れるものであり、後から分かる事実もあるかもしれないと考えると、少しだけ立ち止まって意志を持って選んでいきたいものだと思っています。
こうしておけば大丈夫、これが正解というものを示すのがなかなか難しい“食”における判断ですが、生活のしやすさと安全性も含めた納得感のバランスを取りながら、ぜひ少し意識的に選択してみていただければ幸いです。
