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野菜の価格について考える

  • 執筆者の写真: 秋山 智美
    秋山 智美
  • 2023年9月16日
  • 読了時間: 4分

更新日:2023年9月23日

保けん野菜では、一般的な野菜セットの定期購入サービスと比較して、高い価格設定をさせていただいています。加入いただいている皆さんには、ご理解をいただき本当に感謝しております🙇🏻‍♀️


本日は改めて、このような価格設定をさせていただき、農家さんが通常販売する価格よりも高い金額をお支払いしている背景を、お伝えさせてください。

きっかけ

私自身、農家のスタッフとして働くという経験をするまで、スーパーに並ぶ野菜の値段は安いほど嬉しいと思っていました。

幼い頃、農家だった祖父母から「今日はネギが1束10円だった。この金額では作るほど赤字になってしまう。」という話を聞いた経験があったり、ニュースで流れる農家さんの声は耳にしていたものの、どこか実感が湧かず、もっとちゃんと考えて効率的に作る努力をすれば済むのでは?と単純に考えていたように思います。

もちろん、そのような側面もあると思っていますが、のらくら農場さんで働かせて貰った約1年間を通じて、スーパーなどで売っている野菜はむしろ安すぎるのではないか?そんな感覚に変わっていきました。

当たり前のように安いものを求める、その選択そのものが、実は私たち自身の未来を消費してしまっているのではないか、そう思うようになりました。



野菜の価格形成

昨年の玉ねぎの不作による価格高騰は、記憶に新しいのではないかと思いますが、このように一般的に流通している野菜は、生産量と消費量のバランスによって市場で価格が形成されています。

これだけを聞くと、市場原理が働いて適切な価格に落ち着くのでは?という感覚にもなりますが、ここでは野菜の美味しさや安全性などはほとんど考慮されません。どこでどのように作られた玉ねぎも、同じ玉ねぎとして取引されます。

そのため、いかに他の産地や生産者が出荷をしていない時期に生産するか?が、価格に一番大きく影響します。昨年の玉ねぎの価格が高騰した際には、いつも市場価格よりも高い金額で購入してくれている取引先への販売を断り、価格が高騰している市場への出荷をする生産者さんもいらっしゃったという話を耳にしています。

この仕組みの中では、購入者はとにかく安いものを、生産者はできるだけ高く取引される次期に、できるだけ効率的に、という力学が強く働きます。食べるものにも関わらず、美味しさや安全性という観点が入る余地はなかなかありません。



価格を上げる難しさ

ここ2年ほどの化学肥料の高騰により、農産物の生産コストが増加している一方で、その分を価格に反映することができず、農家さんの経営状況が悪化しているというニュースを耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。化学肥料は、ほぼ100%を輸入原料に頼っているため特に価格の上昇幅が大きく、2年間で3倍というものも珍しくなく、中にはお金を出しても購入することができないというものもありました。

保けん野菜の協力農家さんでは化学肥料は利用していませんが、有機肥料、燃料、電気、段ボールなどの梱包資材、配送料など、様々なコストが上昇しています。それでも、定期的に生産者を訪問し理解を深めているように見える共同購入団体でさえ、価格UPを受け入れていただけなかったという話を伺い、改めて野菜の価格を上げることの難しさを痛感しています。



“今”から“未来”に向けた選択をする必要性

化学肥料においては既に起こっている「今まで普通に買えていたものがお金を出しても買えなくなる」ということは、円安、国際情勢、資源の枯渇、気候変動など、様々なことが絡み合い、野菜をはじめとした食品、その他さまざまなもので起こる可能性を孕んでいると思っています。

そうならないよう、私たち自身や未来の世代のために、未来に繋げたいものに、きちんと繋がるための価格を支払い、意思を持って未来を一緒につくっていく、そんな選択をしていきたいと考えています。

今回改めて皆さんにお伝えする内容を整理している中で、短期的なコスパを基準に選択を重ねていくことの危うさを再認識する一方で、分かりやすい指標で測れない未来に向けた価値をちゃんと認識し伝えるという難しさも強く感じています。 今回の内容のみでお伝えしきれていないことや、疑問に感じることもあるかもしれません。もし、お気づきのこと、気になることなどありましたら、お声かけいただけたら幸いです😊


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