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野菜の安全性について考える ~農薬~

  • 執筆者の写真: 秋山 智美
    秋山 智美
  • 2023年6月3日
  • 読了時間: 4分

更新日:2023年10月28日

先日、これまでの繋がりの中で、ぜひご報告を兼ねて保けん野菜をご紹介したいと思う方々にお声かけをさせていただき、保けん野菜の体験イベントを開催いたしました。

お声かけをする中で、お子さまがいらっしゃる方が多かったこともあり、食の“安全性”を気にかけられている方が多いのだなということを改めて実感しました。


そこで、今回から何回かに分けて、野菜の安全性について考えてみたいと思います🤔


※体験イベントでの野菜ブロック、やさいちらし寿司づくりの様子

“安全性”と聞いて、まず思い浮かぶのが農薬ではないでしょうか。私自身が農薬を認識した最初の記憶は、日本でもその原料となる成分が除草剤として数年間使われていた時期がある、ベトナム戦争で使われた枯葉剤による健康被害です。他にも毒性の強い農薬が使われていたことがある過去の経緯から、農薬は危険というイメージは現在でも根強いかもしれません。


しかし改めて、現在はどうなのか?というと、良く分からないけど「何となく怖い」という方も多いのではないでしょうか。今回はその解像度をあげるために、いくつかの観点で農薬についての情報をお届けさせてください。



農薬とは

農薬は「農薬取締法」では、以下のように定義されています。昆虫や微生物などを天敵として利用することがあるのですが、生物農薬といい、これも農薬として扱います。

農作物を害する菌、線虫、だに、昆虫、ねずみ、草その他の動植物又はウイルスの防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤、除草剤その他の薬剤及び農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤その他 の薬剤をいう。 前項の防除のために利用される天敵は、この法律の適用については、これを農薬とみなす。

※「農薬取締法 第二条」より抜粋


また農薬は登録制で、農林水産省による品質、薬効、農作物への安全性の審査、内閣府食品安全委員会、厚生労働省、環境省、農林水産省で、人や環境に対する安全性の審査にパスしたものだけが利用できるようになります。有効期間は3年間で、再登録の際に新たな科学的な知見が明らかになっている場合は、新たに試験結果をもとに審査を行うことになっています。


2020年2月時点で登録されている農薬は4,263件(有効成分数は593種類)で、除草剤:約37%、殺虫剤:約25%、殺菌剤:約21%、殺虫殺菌剤:約10%、その他:約7%、という内訳です。



食品中の残留農薬の基準値

それぞれの農薬には、安全や環境保全を加味して定められた使用方法(使用して良い作物、希釈倍数、使用量、使用回数、使用時期など)があります。この方法で使用した際に残留しうる農薬の量が、日本における食生活を鑑みて以下のいずれも超えない、という基準が設定されています。

  • 毎日一生涯にわたって摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量 (動物実験により得られた安全基準値の1/100の量)

  • 24時間又はそれより短時間の間に摂取しても健康への悪影響がないと推定される量



残留農薬の実態

農産物中の残留農薬については、地方公共団体による国内流通品の検査、検疫所による輸入食品の検査が行われています。直近の調査結果は以下の通りで、数年分の数値を確認してみたところ、概ね同程度の数値を推移しているようです。

※残留農薬の試験法の改正が行われているようで、公開されている最新の調査結果が2018年度分でした。



農薬使用中の中毒事故の発生状況

かなりの倍率で希釈をして利用するものが多い農薬。マスクなどの装備が不十分だったり、風下となるなどして散布したものを多く浴びてしまうなど、取り扱い方法によっては、中毒症状や場合によっては死亡事故に繋がりかねません。過去から比較するとかなり減ってはいますが、今でも年間20名弱の方が中毒となっています。

設定されている基準や検査での検出状況を見て、影響が小さく安心と感じるか、とは言えゼロでは無く怖いと感じるかは、人によりそれぞれかと思います。いずれにしても、正しく安心する、もしくは正しく怖がるための情報として、ご覧いただけたらと思います。


来週は「有機野菜」についてお届けしたいと考えています。

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