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食品添加物について考える ~食品添加物の基本情報~

  • 執筆者の写真: 秋山 智美
    秋山 智美
  • 2025年2月8日
  • 読了時間: 8分

更新日:2025年2月9日

先月15日、アメリカ食品医薬品局が、着色料「赤色3号」の食品への利用を禁止する発表をしたことは、ニュースでご覧になられた方も多いのではないかと思います。また2023年に、世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC)が、アスパルテームを「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」というグループに分類をしたというニュースも、記憶に新しいかもしれません。いずれも、日本においては許容一日摂取量(ADI:人が毎日一生涯摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量)に対する実際の摂取量が少なく、ヒトに有害な影響を与えるという確たる証拠はないということで、使用そのものや使用基準の変更は行われていません。 ※赤色3号、アスパルテームについて、詳細はこちらをご覧ください。


食品添加物については、安全評価をクリアした上で利用しているのだから特に気にしないという方、何となく怖いというイメージを持っている方、出来る限り摂取をゼロにしたいという方など、食品選びの考え方に幅があるのではないかと思います。答えは1つではなく、考え方や生活の中で優先するもの、食習慣、体質や疾患など、それぞれによって異なって当然のものですが、ある程度知った上で判断をしていくことが大切だと考えています。

今回はその理解の入り口として食品添加物の基本情報をお伝えさせていただいた上で、次回、私自身の現段階での食品添加物に対する考え方や、頭に入れておいている添加物をご紹介させていただければと思います。

食品添加物とは

保存料、甘味料、着色料、香料など、食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるものです。原則として、食品衛生法第12条に基づいて、厚生労働大臣の指定を受けた添加物(指定添加物)だけを使用することができますが、例外的に、既存添加物、天然香料、一般飲食物添加物も使用が認められています。

区分

概要

事例

指定添加物

食品衛生法第12条に基づき、厚生労働大臣及び内閣総理大臣が使用してよいと定めた食品添加物です。この指定の対象には、化学的合成品だけでなく、天然物も含まれます。

L-アスコルビン酸(ビタミンC)、亜硝酸ナトリウム、アスパルテーム、グルタミン酸ナトリウム、次亜塩素酸水、食用赤色3号 など ※一覧はこちら

既存添加物

平成7年(1995年)の食品衛生法改正により食品添加物の指定対象が化学合成品から天然物へも広がったタイミングで、日本において広く使用され長い食経験のある天然の添加物を、既存添加物として設定しています。順次、安全性評価、及び流通実態の調査を行い、適宜削除されています。

安全性の観点では、平成16年(2004年)にアカネ色素が、発がん性の疑いが出たために削除されています。

カラシ抽出物、カラメルⅠ~Ⅳ、グァーガム、コチニール色素、鉄、トレハロース、ペクチン など

※一覧はこちら

天然香料

動植物から得られる天然の物質で、食品に香りを付ける目的で使用されるものです。

シソ、シトラス、バニラ など

※一覧はこちら

一般飲食物添加物

一般に飲食に供されているもので、添加物の用途として使用されるものです。

ウコン、エタノール、カゼイン、寒天、レモン果汁

※一覧はこちら


安全性確保のための基準の設定・運用方法

食品添加物はその安全性について、内閣府 食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格、使用量などの基準を定めた上で、使用を認めています。また、使用が認められた食品添加物についても、国民一人当たりの摂取量調査を行っています。その中で安全上問題があることが明らかになった場合には、見直しを行うこととしています。


動物実験による毒性の評価

様々な動物(マウス、ラット、ウサギ、イヌなど)による以下のような実験を通じて、摂取量と生体への影響を確認します。

試験例

概要

体内動態試験

動物に投与し、吸収、分布、代謝及び排泄等体内動態を調べる

亜急性毒性試験

動物に90日間(28日間)繰り返し与えて生じる毒性を調べる

慢性毒性試験

動物に12カ月以上繰り返し与えて生じる毒性を調べる

発がん性試験

動物にほぼ一生涯にわたって与え、発がん性の発生・促進を調べる

生殖毒性試験

動物2世代にわたる生殖機能や新生児の生育の影響を調べる

発生毒性試験

妊娠中の動物に与え、胎児の発生、発育の影響を調べる

遺伝毒性試験

細胞の遺伝子や染色体への影響を調べる

アレルゲン性試験

必要に応じてアレルギーの有無を調べる

それぞれにおいて何ら有害作用が認められなかった、体重1kgに対する1日当たりの摂取量(無毒性量)のうち、最小のものを求めます。

内閣府 食品安全委員会「⾷品添加物のリスク評価のアップデート」より抜粋
内閣府 食品安全委員会「⾷品添加物のリスク評価のアップデート」より抜粋

更に動物とヒトの種の違いや、ヒトにおける個人差を考慮して、最小の無毒性量÷100をヒトがある物質を毎日一生涯に渡って摂取しても健康に悪影響が無いと判断される量(ADI)として設定しています。ただし、遺伝性発がん物質と評価をされた場合は、ADIの設定はせず、量によらず使用を認めません。


日本の食生活を鑑みた一日当たり摂取量の推計

当該の添加物の使用対象食品を一日当たりにどの程度摂取するか?を、国民健康・栄養調査の食品群別摂取量データや、スーパー等で売られている食品を購入しその中に含まれている食品添加物量を分析するマーケットバスケット方式による調査等により、推計します。これにより、毎日一生涯に渡って摂取しても健康に悪影響が無いと判断される量(ADI)の範囲内にあることを確認します。


使用許可後の実態調査

その後も順次、一日摂取量の調査を行い、毎日一生涯に渡って摂取しても健康に悪影響が無いと判断される量(ADI)に対して十分少ない摂取量となっているかどうかを確認します。令和4年度(2022年度)は、1~6歳の小児における、保存料、着色料、甘味料、製造用材、結着剤の調査を行っています。

※令和4年度マーケットバスケット方式による保存料等の摂取量調査の結果より抜粋

用途

食品添加物名

対ADI比

保存料

安息香酸

0.3%

保存料

ソルビン酸

0.4%

着色料

食用赤色3号

0.02%

甘味料

スクラロース

0.35%

甘味料

ステビア抽出物

0.56%

製造用材

プロピレングリコール

2.2%

結着剤

総リン酸塩類

16%


食品添加物の表示方法

食品添加物は、以下のルールに則って表示されています。

  • 食品中の添加物に占める重量割合の高いものから順に表示

  • 原材料名とは区別をして表示(枠を別にする、“/”や改行で区切る等)

  • 原則、添加物の物質名を表示


ただし、物質名の表示についていは、いくつか例外があります。

  1. 簡略名や類別名による表示:一般的に広く使用されている名称での表示

    • 硫酸アルミニウムカリウム・・・カリミョウバン、ミョウバン

    • L-アスコルビン酸・・・ビタミンC

    • カカオ色素、タマネギ色素等・・・フラボノイド色素

  2. 用途名の併記:甘味料・着色料・保存料・増粘剤、安定剤、ゲル化剤又は糊料・酸化防止剤・発色剤・漂白剤・防かび剤又は防ばい剤は、物質名と用途名を併記

    • 甘味料(アスパルテーム、ソルビトール)

    • 着色料(カラメル、カロテン)

  3. 一括名での表記:複数の添加物の組合せで効果を発揮することが多い食品添加物や、食品中にも通常存在する成分と同じ食品添加物は、物質名の代わりに一括名で表示することが可能(認められているのは、イーストフード・ガムベース・かんすい・酵素・光沢剤・香料・酸味料・チューインガム軟化剤・調味料・豆腐用凝固剤・苦味料・乳化剤・水素イオン濃度調整剤・膨張剤)

    • 小麦デキストリン、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム・・・イーストフード

    • 酢酸ビニル樹脂、ジェルトン、チクル・・・ガムベース

  4. 表示不要な食品添加物:以下のようなものは表示そのものが不要

    • 加工助剤:加工の途中で利用するが、最終的な商品には残存しない場合

    • キャリーオーバー:原材料に食品添加物を利用したものを利用しているが、非常に少量のため最終的に添加物としての効果が無い場合(せんべいの味付けに使用した消費に保存料が使われている等)

    • 栄養強化:食品の製造工程中に減少してしまう分を補う場合(製造工程中に減少した分のビタミンCを添加する等)※全て表示するよう改正の方向


※食品添加物の主な用途(消費者庁「食品添加物表示に関するマメ知識」より抜粋

用途

概要

食品添加物の例

甘味料

食品に甘みを与える

キシリトール、アスパルテーム

着色料

食品を着色し、色調を調整する

クチナシ黄色素、コチニール色素

保存料

カビや細菌などの発育を抑制し、食品の保存

性を向上させる

ソルビン酸、しらこたん白抽出物

増粘剤、安定剤、ゲル化剤

食品に滑らかな感じや粘り気を与え、安定性

を向上させる

ペクチン、カルボキシメチルセルロ

ースナトリウム

酸化防止剤

油脂などの酸化を防ぎ、保存性を良くする

二酸化硫黄、ビタミンC

発色剤

ハム・ソーセージなどの色調を改善する

亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム

漂白剤

食品を漂白し、白く、きれいにする

亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリ

ウム

防かび剤

輸入柑橘類などのかびの発生を防止する

オルトフェニルフェノール

香料

食品に香りを付ける

オレンジ香料、バニリン

酸味料

食品に酸味を与える

クエン酸、乳酸

調味料

食品にうま味などを与え、味を調える

L-グルタミン酸ナトリウム

乳化剤

水と油を均一に混ぜ合わせる

植物レシチン

pH 調整剤

食品の pH を調整し、品質を良くする

DL-リンゴ酸、乳酸ナトリウム

膨張剤

ケーキなどをふっくらさせ、ソフトにする

炭酸水素ナトリウム、焼ミョウバン

次回はこれらの情報も踏まえて、私自身の現段階での食品添加物について考え方や、頭に入れておいている添加物をご紹介させて下さい。

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