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会社の福利厚生としての野菜セット

  • 執筆者の写真: 秋山 智美
    秋山 智美
  • 2024年2月10日
  • 読了時間: 6分

更新日:2024年2月10日

今週は月曜~火曜にかけて関東甲信エリアでは雪が降りましたが、のらくら農場さんのある長野県佐久穂町でも数年ぶりの大雪となりました。暖冬とはいえ、日中でも気温が上がりきらない日も多いため、農場の周辺はまだまだ雪が残っています⛄ ※農場までの道のり


ちょうど2年前の今ごろ、のらくら農場さんでスタッフとして勤務していた際に、とある企業さまで福利厚生として社員の皆さまへ野菜セットをお届けする取り組みを始めました。今回は、企業さまから「半永久的に継続予定です」と言っていただいているこの取り組みについて、少しご紹介させてください。

福利厚生とは

福利と厚生はそれぞれ以下を意味する言葉で、福利厚生は賃金などの基本的な労働条件とは別に、企業が従業員やその家族の幸せで豊かな生活のために行う施策を指したものです。

福利:幸福と利益。幸福をもたらす利益。 厚生:人間の生活を健康な豊かなものにすること。 ※Oxford Languagesより引用

福利厚生の中には、各種保険料の事業主負担など法律で定められている法定福利厚生と、企業が独自に任意で行る法定外福利厚生がありますが、福利厚生と聞いてイメージするのは、後者の企業がそれぞれの考えに基づいて設計している法定外福利厚生かもしれません。家賃や医療費の補助、ユニークな休暇制度、自己啓発のサポート、ニーズの違う社員が選択できるカフェテリアプランの導入など、企業の大切にしたい考え方や課題、従業員のニーズなどにより、多種多様な福利厚生が存在します。



きっかけ

「社員全員に定期的に野菜セットを届ける」という福利厚生を導入いただくことになったきっかけは、この会社の経営者との雑談からでした。


GDPではない大切なこと

私が農場に来た理由、働かせてもらう中で感じていること、食や農業についての課題感などの話から、これからの生き方、資本主義のその先、豊かさとは何かなどの話に至る中で、お互いにそれらの問いの答えに繋がる一端が、農場やその周辺の暮らしにあるように感じていました。そんなやりとりを終えた後、送られてきたメッセージがこちらです。

これからのビジネスのキーワードはGDPじゃなくて、笑顔、腹の底から笑える日常のような気がしてならない今日この頃。

その方の人生において大切にしたいこと、そして経営されている会社の社員の皆さんに届けたい、大切にしてほしいことなのだと捉えています。


コロナを経ての制度見直しの必要性

話の中で、これまで社員同士のコミュニケーションを目的に設定をしていた会食の機会や予算についての、見直しの必要性についても伺いました。コロナ禍でリモートワークが増える中で、現状の制度が実態に即さなくなってきたことに加え、社員の健康状態も気になっているとのことでした。そのような背景で、以下を目的に制度の見直しを考えられているタイミングでした。

  • 従業員の健康で豊かな生活

  • 従業員同士の業務外のコミュニケーション活性


野菜セットの魅力を実感

話を終えた後、農場の野菜セット、代表である萩原さんの著書「野菜も人も畑で育つ」をお送りしたところ、すぐに以下の感想をいただきました。

おはようございます。お野菜頂きました。たしかにうまい!まず、どれも味が濃い。スーパーで売っているものとは味の濃さが全然違います。新鮮であることもポイントでしょう。ケールとか唐辛子とか普段買わないものが入っているのもありがたく、「今の時期はこれ食え!」っていうプロダクトアウト(本に書いてあった)による提案も、とてもいいです。トウモロコシは絶品でした。最近のトウモロコシはスーパーで買っても甘くなったけど、甘いだけじゃなくて味が深い。これは土づくりの成果でしょうか。にんじん、インゲンも味が濃い。にんじんは土の香りがして歯ごたえもあってとてもいいです。ナスやネギにはまだ到達していないのでまた報告します。


全員に食べてもらうことへのこだわり

このような経緯で社員の方へ野菜セットをお届けする福利厚生の検討を始めたのですが、以下のような懸念もありました。

  • 一人暮らしや共働きが多い中で、新鮮なうちに受け取れるのか?

  • 弁当や惣菜などで済ませることが多いと、新鮮さは味わえない?

  • 弁当や惣菜などで済ませることが多いと、そもそも食べきれない?

  • 料理が出来ない人、野菜が好きでない人は、食べられるのか?


そのため「欲しい人が割安の値段で購入できる」という形を取る選択肢もあったかと思いますが、経営者の以下の強い思いで「社員全員に定期的に野菜セットを届ける」という形でスタートすることになりました。

会社の思いとして社員に届けたい。なので、少しおせっかいな福利厚生かもしれないが、欲しい人に届けるのではなく全員に食べてもらう形にしたい。


従業員の皆さまからの声

皆さまがどんな感想を持たれるのか?コミュニケーションのきっかけや、食生活の変化は生まれるのか?ドキドキしながらスタートした福利厚生としての野菜セットのお届けですが、心配をよそにとても嬉しい声をいただいています。


社内チャットでのコミュニケーション

月に1回お届けしているのですが、到着してから数日間、このようなやりとりをしていただいていました。


継続して欲しい!という皆さんの声

野菜のボリュームが多すぎて大変…、ということでサイズを小さくされた1人暮らしの方が1名いらっしゃったのですが、全員からぜひ継続して欲しいという声をいただいています。社員の皆さんの家族構成や生活、特性によるものも大きいかと思いますが、経営者の思いと野菜セットが一緒になって届けられている価値だと感じています。

手作りの人のぬくもりのようなものが、送られてくるダンボール箱に入っている野菜からダイレクトに伝わってきます。子供の時に「小学1年生」の付録のおもちゃを組み立てるのを毎月心待ちにしていたような、来月はどんな季節の野菜が送られてくるのかな?というワクワク感が、自分のみならず家族にもあります。
あの野菜美味しいねとかお互いの健康について気にかけるような話題がでたりと、互いの関係性を高める上で嬉しい副産物がありました。もちろん野菜もとても美味しいです。
会社でこのような取り組みを考えてくださったことに、とても感動。

意識や行動の変化

そして何よりも嬉しい発見だったのが、これまで十分に野菜を食べていないと仰っていた方のほどんどに、意識や行動の変化が起こっていたことです。従業員の方の健康を思って導入した制度も、その思いだけで上滑りしてしまっては意味がありません。少なくとも、食生活の変化には繋がっているということが分かり、嬉しさと共に少しホッとしたというのが正直な気持ちです。

料理をする機会が増えた、野菜を摂る量が増えた、中食、外食の際のメニューの選択が変わりました。
美味しい野菜を活かしたスープや鍋など、野菜を使った料理が増えました。
料理しなくちゃと、新しいメニューを考えるキッカケになっています。一方で、素材が美味しいのでほとんど生や手を加えずに出すことが多いです。

これから保けん野菜としても、このような変化のきっかけを、少しずつ紡ぎ広げていけたらと思っています。

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