とうもろこし畑のこれから
- 秋山 智美
- 2023年8月19日
- 読了時間: 4分
更新日:2023年12月9日
先日、コーン期臨時総会で収穫させていただいたとうもろこしですが、収穫ができるのも残り数日となりました。今回は収穫が終わった後、とうもろこし畑がどうなっていくのかをお伝えさせてください。

コーン期臨時総会の後、のらくら農場 代表の萩原さんから、とうもろこし畑の今後についてお話を伺いました。
もう少しで収穫も終盤。収穫が終わったら、畑に残っているとうもろこしの茎や葉を粉砕して、小松菜を作ります。あの背の高い茎や葉が土に還り、微生物が繁殖して、次の小松菜になっていく。この循環のメカニズムが実に有機農業っぽい。
この“循環”について、だいぶ単純化をしていますが、私自身の理解をお伝えさせてください。
植物の生長
循環の前に、まずは少しだけ植物の生長の仕組みについて。
植物が生きていくために行っていることは、大きく分けると以下の2つに分けられるかと思います。
炭水化物を作ること 水と二酸化炭素を吸収し、光のエネルギーを利用して炭水化物を合成する(光合成)。
炭水化物を活用すること 光合成で作った炭水化物を材料およびエネルギー源として利用し、生長する。その際、根から吸収した窒素と合成してタンパク質を作り、細胞を形成する。
勿論、他にもミネラルなど必要なものはありますが、生長においてベースとなるのは「炭水化物」と「たんぱく質」です。それを踏まえて、この後を読み進めていただければと思います。
炭水化物 糖質と呼ばれるブドウ糖などの単糖類(C₆H₁₂O₆)、単糖類が多数結合したデンプンなどの多糖類( (C₆H₁₀O₅)n)、さらに多くの分子が結合した食物繊維の総称で、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)から構成されています。。 ※栄養学においては消化酵素で分解することができない食物繊維は炭水化物に含まず、三大栄養素としての炭水化物は糖質のことを指します。
たんぱく質 アミノ酸(R-CH(NH₂)COOH)が多数結合しているもので、主に窒素(N)、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)から構成されています。前述の炭水化物と比較していただくと分かる通り、中でも窒素(N)が肝となる元素です。
分解
収穫が終わった畑には、とうもろこしの茎、葉、そして虫に食べられるなどして出荷が出来なかった実が残っています。主な成分は、炭水化物(茎や葉に多く含まれる食物繊維、実に多く含まれる糖質)、たんぱく質(細胞を形成)です。
始めに分解されやすい糖質に酵母菌が付き、発酵が始まります。(糖度の高いとうもろこしを常温においておくと、アルコールの香りがしてきます🍺)その後、たんぱく質、食物繊維と、菌や微生物による分解が進んでいきます。
最終的に、炭水化物はクエン酸、乳酸などの有機酸に、たんぱく質に含まれる窒素はアミノ酸を経てアンモニア(NH₃)、硝酸(NO₃)と分解さてれいきます。
吸収・合成
炭水化物が分解されてできた有機酸は、根から吸収されると植物の体内で炭水化物の原料として使われます。光合成が炭水化物を合成するメインの働きではありますが、太陽の光が無くても炭水化物の原料を得る手段となることに加え、糖やたんぱく質の原料が多くできることで、旨味や甘味の増加に繋がります。
また有機酸は、そのままでは吸収することができない土壌中にあるミネラルをイオン化し、植物内に取り込めるようにするという働きも持っています。
たんぱく質に含まれている窒素は、一般的に硝酸の状態で吸収されると言われていますが、アミノ酸の状態でも吸収されることが分かっています。炭水化物の元になる炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の元素も含まれているアミノ酸の状態で吸収することで、炭水化物の吸収と同様、旨味や甘味の増加に繋がります。
土の質
前述までの循環とは少し視点が異なるのですが、この分解~吸収の一連の流れの中で、土の質にも大きく影響を与えます。畑にある有機物(今回で言うと、とうもろこしの茎や葉、実)に菌や微生物が集まり、さらに昆虫が増えていきます。これらの生物からの分泌物や排泄物、そして動くことなどにより、土が小さな集合体を作り、土の中に空気が入り、フカフカの質の良い土になっていきます。
8月末~9月上旬には、とうもろこし畑に残った茎や葉、実は粉砕し、小松菜栽培の準備に入る予定です。今後、小松菜を食べていただく際に、少しだけとうもろこしを思い出していただけたら嬉しいです🌽(別の畑で作る小松菜もある旨、ご了承ください)
化学の授業を少し思い出すような内容になってしまいましたが、畑で行われている目に見えない動きを何となく感じていただけたら幸いです。またこの畑(メキシコと名付けられています)に動きがありましたら、お伝えさせてください。



