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コーン期 夏の風物詩 ー野祭ー ~美味しいの先にある、未来の農業を支える一員という実感~

  • 執筆者の写真: 秋山 智美
    秋山 智美
  • 8月16日
  • 読了時間: 7分

更新日:19 時間前

前日までの暑さが少しだけ和らいだ先週末。のらくら農場さん(長野県佐久穂町)の畑に伺い、「コーン期 夏の風物詩 ー野祭ー」を開催しました。とびきり美味しいとうもろこしをめいっぱい楽しんだ後、最後にのらくら農場代表の萩原さんにもお越しいただきました。今回はそんな当日の様子をお届けさせてください。

開催の背景

夏の風物詩の野菜と聞いて真っ先に思い浮かべる方も多いのではないかと思う、とうもろこし。のらくら農場さんでは収穫できるタイミングが2週間ほどと、まさにこの時しか味わえない野菜です。

一方で実は、以下のような背景でとうもろこし単体では赤字となってしまう作物とのこと。

  • 単位面積当たりの収穫量が少ない 1本のとうもろこしの株から収穫できる実は基本的に1本。1株からたくさんの実を収穫するトマトやピーマンなどの夏野菜とは比べ物にならないくらい、1本のとうもろこし収穫をするのに必要な畑の面積が広い野菜です。

  • 肥料代の高騰 そもそも多くの肥料が必要な野菜ということに加え、美味しさを追求すると更に多くの肥料が必要に。そんな中で、ここ数年肥料代が2倍以上に高騰しています。

  • 虫や動物による食害 甘くて美味しいとうもろこしは人間だけではなく、虫や動物も大好き。虫が卵を産み付け幼虫に実を食べられたり、まさに収穫というタイミングで鹿やハクビシンに食べられてしまうことも。虫が卵を産み付けやすい穂を、受粉したタイミングを見計らって切り落としたり、電柵で畑を囲って鹿などに食べられるのを少しでも防いだりする工夫をしていますが、防ぎきることはなかなかできません。

  • 猛暑による栽培体系の見直しが必要  ここ数年は猛暑により、甘いとうもろこしが畑で発酵し始めてしまうことも。毎年改善を積み重ねている栽培ではあるものの、これまで以上の見直しが必要になっています。


このような状況の中でも、「毎年心待ちにしてくださっているお客様に喜んでもらいたい」「季節感溢れる豊かな野菜セットをお届けしたい」、そして何よりも「とびきり美味しいとうもろこしを作りたい」という思いで、とうもろこしを栽培し続けられています。

そんなのらくら農場さんの思いの詰まったとうもろこしを、一番美味しいタイミングで味わうとびきり贅沢な時間をこれからも積み重ねていきたい、夏の風物詩として毎年恒例の場として参加いただける場にしていきたい、そんな背景で“コーン期 夏の風物詩 ー野祭ー”を開催しています。


畑でとうもろこしを味わう

前日の夕方に土砂降りの雨が降り、前日までの暑さが少しだけ和らいだ先週末の長野県佐久穂町。まずは標高900mほどの山間(やまあい)にある、のらくら農場さんのとうもろこし畑に向かいます。


畑では、収穫に当たっての簡単な説明をさせていただき、早速収穫をしていきます。

  • 少しでも長い期間お届けができるように1週間ほど時期を分けて栽培をしており、今回収穫をするのは先に栽培をした1作目が植わっている東側のエリア。

  • 今年はちょうど良いタイミングでしっかり雨が降ったこともあり、特にこの1作目は生育状況が良く、美味しいとうもろこしが出来ている。通常は1株に生った2本の実のうち上の1本しか収穫しないが、今年は2本とも良くできている。ただし、相対的に上の方が美味しいので、収穫する時は上の実がおすすめ。

  • 一方で、毎年苦労しているのがアワノメイガという蛾による食害。毎年色々な工夫を重ね、穂を落としたり、今年は繁殖が活発になる満月や新月の時期を狙って対処をしたりしたものの、昨今の暑さもあってかアワノメイガによる食害は減らず…。最終的に人海戦術で手で取るということまで試したとのこと。それも追いつかず、実の先端に少し食害があるものも多くなっている。


前述の通り今年は生育が良く、大人の背丈ほどに育ったとうもろこし。子どもの視点に高さを合わせて見てみると、中に入るには勇気がいる、少し怖さを覚える光景が広がっています。恐る恐る葉をかき分けながら入り、より大きく、美味しそうなとうもろこしを探して歩き回ります。「これはどう?」「こっちがいいんじゃない?」と、吟味をしながら、これだ!と思うとうもろこしを収穫していきました。


収穫後は、何といっても畑で生でとうもろこしを味わうのが醍醐味です。生のとうもろこしは初めてという方も多く、果物のような甘みとジューシーさに、美味しい!と驚きの声が。また、少しだけ塩を振って食べると旨味と甘味が引き立ち、より味わい深くなるということで人気でした。



森の時間でとうもろこしを味わう

生のとうもろこしを味わった後は、収穫したとうもろこしを持って森の時間へ。森の時間については、ぜひ以前のブログ『保けん野菜のイベントで度々利用させていただいている山小屋「森の時間」のご紹介』もご覧いただければ幸いです。今回は、森の時間のオーナーさんご家族にも、「コーン期 夏の風物詩 ー野祭ーにご参加いただきました。


森の時間に到着後は、収穫したとうもろこしの皮を剥き、蒸しとうもろこし、焼きとうもろこしを作ります。特に炭火で焼いたとうもろこしは、生で味わったシャキシャキ感と、旨味や甘味が凝縮し香ばしさが加わった味わいの、両方を楽しめるということで大好評でした。

また、畑で食べた生のとうもろこしが忘れられなかったのか、気付けば1本分ほどペロリと生のとうもろこしを食べている子も。


他にも、とうもろこしご飯、とうもろこしの冷静ポタージュ、のらくら農場さんの野菜を使った簡単なおつまみ(ピーマンとなすの揚げ浸し、なすときゅうりのピクルス、ミディトマトとクリームチーズのサラダ、小松菜のピリ辛ナムル、ケールのサラダ)と、のらくら農場さんのとうもろこしを味わい尽くしました。



のらくら農場代表 萩原さんが聞かせてくれた、挑戦と感謝の言葉

終盤には、ハイシーズン真っ只中の時期にも関わらず、のらくら農場代表の萩原さんが差し入れを持って顔を出して下さいました。

そこで真っ先に話して下さったのは、資本主義の当たり前からは少し外れた、それゆえに場合によっては少し価値が伝わりにくいかもしれない保けん野菜に、加入いただいている、関係を持って下さっている、皆さんへのお礼と共感の言葉でした。

今回のイベントの主役であるとうもろこしも、一般的に取引される価格では赤字になってしまうため、合理的に考えると栽培をやめるという判断をしてもおかしくない作物。それでも、普段から野菜セットをお届けしている皆さんがとても楽しみにしてくださっている野菜ということ、豊かで美味しい、箱を開けた時にワクワクする野菜セットをお届けしたいという、スタッフも含めたのらくら農場の皆さんの想いで、毎年工夫を凝らしながら栽培をしているとのこと。もしかすると萩原さんは、保けん野菜の在り方に、そんなのらくら農場さんの栽培への想いと、少し重なる部分を感じられているのかもしれません。

そして最後は、保けん野菜の加入者の皆さんが通常より高い価格で野菜を購入して下さっている差額は、のらくら農場さんにとって決して小さくなく、美味しい野菜づくりをしっかり続けていくための大切な投資に繋がっているということで、感謝の言葉で締めくくられました。


イベントの最後、参加いただいた皆さんにのらくら農場さんへのメッセージを書いていただきました。このメッセージはのらくら農場さんにお渡しし、のらくら農場さんからもメッセージをいただきます。そして来年のこの場にお持ちし、1年ごとにメッセージを重ねていく予定です。

今回参加してくださった皆さんからは、今年も参加できたということへの喜び、のらくら農場さんの野菜から貰っているパワーや幸せへの感謝、子どもと一緒にいつも食べている野菜を作っている現場を見ながら会話をできたこと、三世代で過ごした貴重な体験への感謝など、様々な感想を伺いました。

中でも印象的だったのは、萩原さんの話を聞いて「自分たちも農業の未来を支える一員になれている」ということを感じ、そこに喜びの想いを持っていただいたことでした。まさに、保けん野菜が皆さんと、農家さんと一緒につくっていきたい形を、少しずつ体現していけているのかもしれない、そんなことを私自身が感じることができた1日でした。

また来年も、この夏の風物詩で皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

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