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野菜の栽培に留まらない、未来を見据えた意志のある活動

  • 執筆者の写真: 秋山 智美
    秋山 智美
  • 2025年1月25日
  • 読了時間: 5分

更新日:2025年2月9日

昨晩1/24(金)、ないとう農園 内藤さん、クレイジータンク 竹鼻さんにご協力いただき、「全ての分野にできるAI時代の準備を、農業から考えてみる」と題した、オンライン鼎談を開催しました。当日の様子は、アーカイブでもご覧いただけますので、ご希望の方はぜひこちらよりお申し込みいただければ幸いです。 本日は、オンライン鼎談にて内藤さんから少しご紹介いただいた、野菜の生産に留まらない、未来を見据えた意思のある様々な活動を、私なりの視点でご紹介させてください。

“固定種”と呼ばれる、そのままシンプルに種をとることによってその性質を受け継いできた品種の種を、未来に繋いでいくための苗屋さんです。収穫の揃いや量、種とりにかかる労力などから、農業生産のど真ん中にするのはちょっと難しい品種の苗を、ご家庭で育てていただき種をとる。そんな形にすることで、未来へ繋いでいくことを志向しています。

ないとう農園さんの野菜を保けん野菜で扱わせて欲しい!そう思った大きな一つのきっかけでもある、とても大切な取り組みだと思っています。

種については、ぜひ「種のはなし ~種をつなぐ~」も併せてご覧いただければ幸いです。


※種の種類

  • 固定種: 代を重ねても形質が大きく変化しない種のことで、各地の環境にあった種の選抜を繰り返すことで形質が固定されていきます。世界から日本へ入ってきた野菜が少しずつ各地に広がり、その土地に合ったものが選抜され定着していきます。江戸時代には参勤交代により地域を大きく超えた種の交易が行われ、また新たな地域でその土地に合ったものが生まれていきました。現在、伝統野菜と呼ばれるような野菜は、この頃にできていったものが多いと言われています。 “代を重ねても形質が大きく変化しない”と言っても、自然界での交配を行っているため少しづつ形や大きさ、味、生育時期などの形質がばらつきます。しかしこのばらつきも大切で、選抜を少量で行いばらつきを少なくすることもできますが、近親相姦と同じメカニズムで遺伝子の多様性が損なわれ、弱くなっていく可能性があります。


  • F1種: 固定種のばらつきは、安定的に、大量に、味や見た目の揃った野菜を生産したい場合には、邪魔となります。そこで開発されたのがF1種(Filial 1 hybrid)と呼ばれる、雑種一代目の品種です。雑種の一代目は、親世代よりも生命力が高く、形や大きさ、生育時期などの性質も揃った子世代として生まれてくるという性質があります。この性質を活かしたF1種は、均質な野菜を効率良く育てることができる種として、1920年代にアメリカで初めてトウモロコシが、野菜としては日本で初めてナスが開発されました。現在日本で流通している野菜の99.5%は、このF1種と言われています。


さいたま市近郊の有機農家さんで作ったグループで、内藤さんが主要メンバーとして参画しています。JA~卸売市場を経由する既存の流通の仕組みにはマッチしない有機野菜を、新たな仕組みをつくり届けられないか?というチャレンジをされています。

また、このようなグループを通じて、新たに農業にチャレンジをする若手農家さんのサポートをしたい、という思いも内藤さんから伝わってきます。例えば、以下は「ないとう農園さんに伺ってきました」にてご紹介させていただいた内容ですが、自分が実験台となり後続の若手農家さんの道を切り開くという、強い意志を感じました。

ないとう農園さんの周囲でも耕作放棄地が目立つようになり、これまでもないとう農園さんに使って欲しい、という連絡を受けることが多かったと伺っています。畑が疎らに点在し、住宅と混在するエリアということもあり、お声かけいただく中でも、ある程度集約できる畑を選んできています。 そんな中、今年から耕作放棄地となった田んぼを畑に転換して利用をするチャレンジを始めたというお話を伺いました。ないとう農園さんのある地域では、田んぼがまとまって存在するエリアがあり、もしここできちんと栽培をすることができれば、新たに農業にチャレンジする方が、まとまった場所で効率的に始めることができる環境を作れるのではないか?と考えてとのこと。 日本では農地解放を経て小さな農地を多くの権利者が所有してるため、大規模に計画的に作られた産地ではない地域では、1枚1枚の畑のサイズが小さく、場所も点在しています。水はけが悪い田んぼでは、当面、栽培できる野菜が限られてしまいますが、それでもこれから農業に挑戦する若手のために、というないとう農園さんのチャレンジ、とても尊く、応援したいと思いました。

以前、「生ごみの可能性について考える」でも少しご紹介をさせていただいた、生ごみのコンポスト化による、地域資源循環の取り組みです。適切に処理をすると栄養をたっぷり含んだ堆肥になる一方で、現状はほとんどが化石燃料を使って焼却されている“生ごみ”。

実際に地域の生ごみを回収して堆肥化し、野菜を作る(ないとう農園さんの畑では使用していません)という循環を実践する一歩を踏み出されています。

今後、保けん野菜でも何等かの形で連携させていただくことも、検討しています。

少なくともすぐに収益に繋がるものでは無い中、内藤さん自身が社会にとって必要だと強く感じ、何よりもやりたい!と思っているからこそ始まり、進んでいるこれらの活動。このような思い、エネルギーを持つ方が作っている野菜を食べられること、様々な活動を共にさせていただける喜びを、改めて感じる場となりました。

それぞれの活動の詳細を、各タイトルのリンクよりご覧いただけますので、ぜひ覗いてみていただければ幸いです。

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