top of page

ないとう農園さんに伺ってきました

執筆者の写真: 秋山 智美
秋山 智美
2024年11月2日
読了時間: 4分

昨日、普段みなさんに野菜セットをお届けいただいている、ないとう農園さん(埼玉県伊奈町)にお伺いし、来月12/1(日)開催の「農園地」の打合せを行ってきました。併せて、今、身近なところで起こっている変化や新たなチャレンジなど、様々なお話をお伺いしたので、その断片をお伝えさせてください。


※農園地の詳細はこちら

農園主の方が付いて、その案内に沿って畑を巡るというのが一般的ですが、今回はないとう農園さんのご協力で、「畑で自由に遊ぶ」ということが実現しました。ぜひ、ご参加いただければと思います!


栽培の様子

お伺いしたタイミングでは、ちょうど玉ねぎの植え付けを行っていました。玉ねぎは植え付けのタイミングが大きく影響し、とう立ち(花芽が成長すること。子孫を残すために成長が使われるため、玉の部分成長が悪くなり、芯ができてしまう。)してしまいます。加えて、1本の苗から1つの玉ねぎしかできないため植え付けの手間がかかり、多くの農家さんにとって玉ねぎ苗の植え付けは、一大イベントです。ないとう農園さんにも、過去に研修生として働かれていた方などもジョインし、普段よりも大人数で作業を進められていました。

現在は貯蔵の関係で9月頃には出荷を終えてしまうとのことですが、野菜セットに入っていると普段使いのしやすさがぐっと増す野菜ということもあり、今後は貯蔵の工夫と栽培面積の確保で栽培を増やしていくことを考えていらっしゃるとのことでした🧅


また、何度かブログの中でも触れている気候変化に伴う影響についても、改めてお伺いしました。変化への適応ができるかどうか、栽培技術があり検証サイクルを早く回せる農家さんと、そうでない農家さんで、大きく違いが出てくるのではないかと感じる内容でした。

  • 夏野菜 35℃を越えてくると、夏野菜も弱ってきてしまうとのこと。真夏に弱ってしまうと、その後の実の付きも悪くなってしまうこともあり、秋口にもしっかり収穫できるよう、植え付けタイミングを分散するなど、試しながら見直しを行っていく必要があるとのことでした。 ※こちらのブログ(夏野菜にとっても、暑すぎる🥵)も、ぜひご覧ください。

  • 秋野菜 日照時間は短くなるものの、暑い日が続く、という気候で、日照時間が必要な夏野菜は収穫量が減り、虫が多いため葉物野菜が育てにくい、という状況になっているとのこと。この季節にお届けする野菜の栽培難易度が上がっており、季節や栽培品目など、試行錯誤が続きそうです。 ※こちらの動画メッセージ(虫食いのターサイ)も、ぜひご覧ください。


これから農業に挑戦する若手の方を見据えたチャレンジ

ないとう農園さんの周囲でも耕作放棄地が目立つようになり、これまでもないとう農園さんに使って欲しい、という連絡を受けることが多かったと伺っています。畑が疎らに点在し、住宅と混在するエリアということもあり、お声かけいただく中でも、ある程度集約できる畑を選んできています。

そんな中、今年から耕作放棄地となった田んぼを畑に転換して利用をするチャレンジを始めたというお話を伺いました。ないとう農園さんのある地域では、田んぼがまとまって存在するエリアがあり、もしここできちんと栽培をすることができれば、新たに農業にチャレンジする方が、まとまった場所で効率的に始めることができる環境を作れるのではないか?と考えてとのこと。

日本では農地解放を経て小さな農地を多くの権利者が所有してるため、大規模に計画的に作られた産地ではない地域では、1枚1枚の畑のサイズが小さく、場所も点在しています。水はけが悪い田んぼでは、当面、栽培できる野菜が限られてしまいますが、それでもこれから農業に挑戦する若手のために、というないとう農園さんのチャレンジ、とても尊く、応援したいと思いました。


農業の他産業による買収

最近のらくら農場の萩原さんからも、他産業による買収の事例を周囲で耳にする機会が増えてきたという話を伺っていたのですが、今回、ないとう農園の内藤さんからも同様のお話を伺いました。幼稚園やホテルなど、自社の事業の中で「食」を扱う企業が、自社で栽培をしていくための入り口としての買収のようです。農業生産としての経営が厳しい場合、生産者からしても、企業の傘下に入ることはメリットが大きいのかもしれません。実際の件数の変化や他産業との比較などの確認は出来ていないので、また改めて動向を見てみたいと思っています。 法人にせずに「個人事業主」としてやっていることで信頼感が増す、という話を取引先の方から伝えられたという話を、萩原さんから伺ったことがあるのですが、改めてこのような背景から来ているということを実感する内容でした。いい条件で売却をすることを見据えて法人化をしている経営者の方とは、長期的な信頼関係、取引関係の構築が難しいということだと捉えています。

今回お伺いした内容は、今後また深堀りして皆さんにお伝えしていけたらと考えています。

最新記事

すべて表示
記録的な雨と日照不足の9月から考える、野菜の今とこれから

先日、自家用として家族で育てているお米の稲刈りを、例年よりも1ヶ月近く遅れて、やっと終えることができました。濡れた稲は機械に詰まりやすく、品質も低下しやすいことに加え、ぬかるんだ田んぼでは重い機械が沈み込んでしまうため、稲刈りを行うには、晴れの日が続き、稲と田んぼが乾くのを待たなければなりません。今年は長雨でその機会がなかなか訪れず、周囲では稲が倒れてしまっている田んぼも目立ちました。 こうした天

 
 
12月13日(日)、今年も“農園地”を開園します🎡

2026年12月13日(日)、いつも皆さんへ野菜をお届けいただいている、ないとう農園さん(埼玉県伊奈町)の畑をお借りして、今年も“農園地”を開園いたします。 今回は、これまでの農園地の様子と併せて、開催概要をお届けさせてください。 ないとう農園さんについて 大宮駅から電車で15分ほど、住宅地と農地が隣り合う、埼玉県伊奈町で年間200種もの野菜を栽培している農家さんです。知らない品種の野菜に出会うと

 
 
国際ルールから読み解く、米国産じゃがいも輸入協議の全体像

前回は、じゃがいもの産地を長年悩ませてきたシストセンチュウと、その歴史をご紹介しました。今回は、米国産じゃがいもの輸入をめぐる日米の協議について、その前提となる国際的なルールや、協議の全体像を整理してお伝えできればと思います。 ※ぜひ、以下の内容も併せてご覧いただければ幸いです。 前回のブログ「畑に入り込むと何十年も向き合うことになる、じゃがいもの病害虫とその歴史」 農林水産省「米国産一般流通用生

 
 
bottom of page