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種のお裾分け

  • 執筆者の写真: 秋山 智美
    秋山 智美
  • 2024年4月13日
  • 読了時間: 4分

更新日:2024年6月4日

来週4/20(土)に開催する野菜茶会(詳細はこちら)の場にて、参加いただく方から「バナナウリ🍌」の種をお裾分けいただけることになりました。ご興味のある方は、ぜひ、お気軽に足をお運びいただけたら幸いです🍵

今回は、バナナウリの種をお裾分けいただくに至った背景をお伝えさせてください。

バナナウリとの出会い

昨年の夏、ないとう農園さんからお届けいただいた「バナナウリ」。私自身も初めて出会う野菜でした。お届けできる時期が短くお届けできていない方もいらっしゃるのですが、お届けしたご家庭の子どもたちに大人気の野菜でした。やさい研究会に一緒に参加している子が画面越しに食べる姿を見て、「うわぁ~、まだそんなにあるの!いいな~🤤」という声が上がるほど。豊かな香りとすっきりとした甘みで、子どもたちのテンションが上がるのも頷けます。

調べてみると「固定種」という、種を採って育てても形質が大きく変化しない種ということが分かりました。こんなに食べたい!と思える野菜であれば、種を保存しておき自宅で育てられたら良いのではないかと思い、お届けした各ご家庭で種を取っておいていただきました。


※バナナウリ

メロンやキュウリと同じ仲間(ウリ科キュウリ属)のマクワウリを品種改良したものなのですが、マクワウリは縄文時代の遺跡からも見つかっているほど、古くから日本で食べられていたとされています。現在一般的になっている西洋のメロンが普及するまでは、日本各地で一般的に食べられていた野菜です。


種を採って育てられる野菜とそうでない野菜

現在、日本で流通している野菜の種の99.5%は「F1種(交雑第一種)」と呼ばれるものです。系統が遠く離れた雑種の一代目は、収穫量、生育の速さ、増殖力、抵抗性などで両親よりも優れた形質が出る(雑種強勢)という特徴を生かして開発されている品種です。 今回お裾分けいただくバナナウリは「固定種」と呼ばれ、“代を重ねても形質が大きく変化しない”一方で、F1種と違い自然界での交配を行っているため少しづつ形や大きさ、味、生育時期などの形質がばらつきます。


以下のブログでも簡単に触れさせていただいているのですが、雑種の1代目であるF1種の作り方を簡単にご紹介させてください。

蕾のうちに雄しべを取り除く:除雄(じょゆう)

トマトやナスなど、花が開くと自分の雄しべの花粉で雌しべが受粉し種を実らせる(自家受粉)作物は、自然に花を咲かせてしまうと、雑種を作ることができません。そのため蕾のうちに雄しべと取り除き、雌しべが成熟してきたタイミングで、交配させたい作物の花粉で受粉をさせます。

自分の花粉でタネをつけることができない性質を利用する:自家不和合性(じかふわごうせい)

アブラナ科など、自分の花粉でタネをつけることができない作物は、未熟な蕾の状態や、逆に開花後数日経った老化した状態、極端に二酸化炭素濃度が高い状態など、特定の条件下では自分の花粉でも受粉ができるという性質が分かっています。この性質を利用して、まずは強制的な自家受粉により同じ形質の親を大量生産します。このように作った異なる性質の親同士を近くで栽培すると、自家受粉はせずに、交配させたい遺伝子同士の雑種を一度に大量に生産することができます。


花粉が機能しない個体を利用する:雄性不稔(ゆうせいふねん)

数字は出ていませんが、現在の品種改良においてメインと言われているのがこの方法です。

ごく稀に、母系遺伝をするミトコンドリア遺伝子の異常によって雄しべなどが退化し、花粉が機能しなくなった個体が見つかることがあります。この個体は通常は自然淘汰されていきますが、この個体を利用すると自家受粉をせず雑種をつくることができます。この形質は母系遺伝をするため、出来上がった雑種からできた種を育てると花粉が機能しない個体となります。


種のお裾分け・交換

安定的に、大量に、味や見た目の揃った野菜を生産することを考えると、F1種の種を毎回購入して育てるというのが合理的な選択になりますが、家庭で育てていく際に求めるものは少し違ってくるかもしれません。育てた野菜の種を採って、また翌年、翌々年…、と育て続けていく。これはいい!という野菜の種を、お裾分けをしたり、交換し合ったりして広げていく。そんなきっかけとして、まずはバナナウリの種をお裾分けいただくことから始められたらと考えています。

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