top of page

11月の干し柿づくりを前に、柿渋の仕込みを行いました

執筆者の写真: 秋山 智美
秋山 智美
9月12日
読了時間: 3分

更新日:3 日前

毎年11月に開催をしている、私の父の田舎である山梨県南アルプス市の畑で栽培をした柿を使った干し柿づくり。今年は11/14(土)に開催を予定しています。それに先立って今回は、染料や塗料として活用できる、未熟な柿を使った“柿渋”づくりをご紹介させてください。

柿渋とは

熟れる前のまだ青い柿の実を砕いて絞り、発酵・熟成させた液体です。主成分であるカキタンニンには、防腐、防虫、防水、強度向上などの効果があるとされており、古くから着物などの染料、寺社仏閣を始めとした建築や生活道具の木材、和紙などの塗料としてなど、様々な場面で使われてきました。

ちなみに、日本の伝統色の一つ“柿渋色”はこんな色です。


柿畑の様子

1.3反(1,300㎡ほど)の畑で干し柿用の渋柿を栽培しており、ゴールデンウィークの頃に咲いた花が実を付け、半年ほどかけて成長し、11月頃に収穫を迎えます。

果物を栽培する際、多くの場合は一つひとつの実を大きくするために、摘果と言って実を間引く作業を行うのですが、柿はこれを自ら行う性質を持っています。6~7月頃に畑に行くと、木の下に生りすぎてしまった実が落ちています。これを拾って柿渋を作ることもできるようなのですが、実が小さく果汁も少ないため、今回はもう少し待って実が大きくなったタイミングで仕込んでみることにしました。


現在の畑の様子がこちらで、緑色の実が直系7㎝ほどの大きさになっていました。


表面にはブルームと呼ばれる柿自身が分泌するワックス状の成分があり、白っぽくなっているのが分かります。ここに酵母などの微税物が付着しやすく、柿渋づくりの発酵の肝になるようです。



柿渋の仕込み

柿渋は熟れる前の青い渋柿を使って仕込むのですが、今回収穫をしたものは、既に中が少しオレンジ色になり熟し始めているようでした。一般的な柿では熟れると渋が水溶性から不溶性に変化してしまうため、熟れる前の青い柿を使うのが基本のようですが、使用している柿は熟れても渋いまま(水溶性のまま)の渋柿を使用するため、恐らく大丈夫だろうと判断をし、このまま仕込んでみることにしました。


柿は皮の表面についた微生物を落とさないよう、洗わずに使います。ヘタを切り落とし、潰しやすい大きさにカットします。渋が強く、木や鉄の製品を使うと変色してしまうため、使う道具に注意が必要です。


撹拌しやすいよう少し水を加え、ミキサーやブレンダーで実を細かく砕きます。発酵させるための容器に移したら、ひたひたになる程度の水を加えて、密閉しない程度に蓋をします。


常温の場所に置いておくと、ぶくぶくと発酵が始まります。写真は3日目の様子なのですが、甘くて豊潤な、心地よいアルコールの香りが漂ってきます。


1~2週間この状態で発酵をさせたら、撹拌した柿の実を晒などで濾して、1~2年熟成をさせて完成となる予定です。

発酵している容器の中では微生物が活発に活動していますが、この後、私にできることはじっくり見守ること。必要なものがすぐに手に入り色々な状況が目まぐるしく変化する中、このじっくり見守りながら待つという体験に、心地よさを感じる時間となりました。

来年以降、出来上がった柿渋は、古民家の床や建具の塗料、染め物などに使う予定です。仕上がり状況を踏まえて、ワークショップなども検討していますので、また熟成の状況を見守りつつ、ご案内させてください。

最新記事

すべて表示
おばんざい処「くろねこ庵」、秋のポップアップを青梅にて開催します(10/30・31)

前回は6月末に開催し、多くの方にお越しいただいた、ゴルゴさんが店主を務めるおばんざい処「くろねこ庵」。この度、10月30日(金)、31日(土)の2日間、秋のポップアップストアをオープンすることになりました。前回に続き、西のねこ町と呼ばれることもあるという、青梅での開催となります。(対して、谷中を東のねこ町と呼ぶようです。) 昭和レトロな街の散策や周辺の山々のハイキング、藍染めなどの文化体験やラフテ

 
 
仕込みから半年を経て、手前味噌が食べごろを迎え始めました

2026年3月8日に開催をした「手前味噌を仕込む会」から、早いもので半年ほどが経ちました。今回は、仕込んでから発酵・熟成期間を経て、食べごろを迎え始めた手前味噌の様子を、お届けさせてください。 仕込み 秋に収穫した大豆と、同じく秋に収穫をした米から作った糀を使い、発酵がじっくりと進み、雑菌も少ない冬の時期に仕込む、“寒仕込み”が一般的で、今年は3月に手前味噌を仕込む会を開催しました。 米味噌と呼ば

 
 
コーン期 夏の風物詩 ー野祭ー とうもろこし畑の今と、これからの循環

のらくら農場さんにて、2週間ほどの収穫期間が始まるタイミングで開催をした、今年のコーン期 夏の風物詩 ー野祭ー。会場となったとうもろこし畑では、あっという間に収穫期間を終え、次の野菜づくりに向けた準備が始まっていました。 以前、のらくら農場代表の萩原さんが、こんな話をしてくださったことがあります。 畑に残った茎や葉が土に還り、微生物が繁殖して、次の野菜になっていく。このメカニズムが実に有機農業っぽ

 
 
bottom of page