11月の干し柿づくりを前に、柿渋の仕込みを行いました
更新日:3 日前
毎年11月に開催をしている、私の父の田舎である山梨県南アルプス市の畑で栽培をした柿を使った干し柿づくり。今年は11/14(土)に開催を予定しています。それに先立って今回は、染料や塗料として活用できる、未熟な柿を使った“柿渋”づくりをご紹介させてください。
柿渋とは
熟れる前のまだ青い柿の実を砕いて絞り、発酵・熟成させた液体です。主成分であるカキタンニンには、防腐、防虫、防水、強度向上などの効果があるとされており、古くから着物などの染料、寺社仏閣を始めとした建築や生活道具の木材、和紙などの塗料としてなど、様々な場面で使われてきました。
ちなみに、日本の伝統色の一つ“柿渋色”はこんな色です。
柿畑の様子
1.3反(1,300㎡ほど)の畑で干し柿用の渋柿を栽培しており、ゴールデンウィークの頃に咲いた花が実を付け、半年ほどかけて成長し、11月頃に収穫を迎えます。
果物を栽培する際、多くの場合は一つひとつの実を大きくするために、摘果と言って実を間引く作業を行うのですが、柿はこれを自ら行う性質を持っています。6~7月頃に畑に行くと、木の下に生りすぎてしまった実が落ちています。これを拾って柿渋を作ることもできるようなのですが、実が小さく果汁も少ないため、今回はもう少し待って実が大きくなったタイミングで仕込んでみることにしました。
現在の畑の様子がこちらで、緑色の実が直系7㎝ほどの大きさになっていました。
表面にはブルームと呼ばれる柿自身が分泌するワックス状の成分があり、白っぽくなっているのが分かります。ここに酵母などの微税物が付着しやすく、柿渋づくりの発酵の肝になるようです。
柿渋の仕込み
柿渋は熟れる前の青い渋柿を使って仕込むのですが、今回収穫をしたものは、既に中が少しオレンジ色になり熟し始めているようでした。一般的な柿では熟れると渋が水溶性から不溶性に変化してしまうため、熟れる前の青い柿を使うのが基本のようですが、使用している柿は熟れても渋いまま(水溶性のまま)の渋柿を使用するため、恐らく大丈夫だろうと判断をし、このまま仕込んでみることにしました。
柿は皮の表面についた微生物を落とさないよう、洗わずに使います。ヘタを切り落とし、潰しやすい大きさにカットします。渋が強く、木や鉄の製品を使うと変色してしまうため、使う道具に注意が必要です。
撹拌しやすいよう少し水を加え、ミキサーやブレンダーで実を細かく砕きます。発酵させるための容器に移したら、ひたひたになる程度の水を加えて、密閉しない程度に蓋をします。
常温の場所に置いておくと、ぶくぶくと発酵が始まります。写真は3日目の様子なのですが、甘くて豊潤な、心地よいアルコールの香りが漂ってきます。
1~2週間この状態で発酵をさせたら、撹拌した柿の実を晒などで濾して、1~2年熟成をさせて完成となる予定です。
発酵している容器の中では微生物が活発に活動していますが、この後、私にできることはじっくり見守ること。必要なものがすぐに手に入り色々な状況が目まぐるしく変化する中、このじっくり見守りながら待つという体験に、心地よさを感じる時間となりました。
来年以降、出来上がった柿渋は、古民家の床や建具の塗料、染め物などに使う予定です。仕上がり状況を踏まえて、ワークショップなども検討していますので、また熟成の状況を見守りつつ、ご案内させてください。
