仕込みから半年を経て、手前味噌が食べごろを迎え始めました
更新日:4 日前
2026年3月8日に開催をした「手前味噌を仕込む会」から、早いもので半年ほどが経ちました。今回は、仕込んでから発酵・熟成期間を経て、食べごろを迎え始めた手前味噌の様子を、お届けさせてください。
仕込み
秋に収穫した大豆と、同じく秋に収穫をした米から作った糀を使い、発酵がじっくりと進み、雑菌も少ない冬の時期に仕込む、“寒仕込み”が一般的で、今年は3月に手前味噌を仕込む会を開催しました。
米味噌と呼ばれる米糀で発酵させる、大豆、米糀、塩で作るシンプルな味噌で、毎年味噌を仕込んでいるという近所の方から教わった分量をベースに、ご自宅の冷暗所で発酵・熟成させることを踏まえて塩分を少し増やしたレシピで仕込みました。
大豆や米糀の香りに包まれながら、自分の手で仕込むことで作り手ごとに味が変わるとも言われる味噌の味を楽しみに、空気が入らないよう味噌玉を容器に詰め、しっかりアルコールで容器を拭き取ったら、仕込みが完了です。
仕込みの様子は、ぜひ「手前味噌づくりの様子をお届けします ~自分だけの味と待つ時間を仕込む~」もご覧ください。
発酵・熟成
仕込んだ味噌は発酵・熟成が進むまで、カビが生えていないか?ガス抜きの必要がないか?を時々確認しながら、見守ります。
カビ
カビの胞子は至るところに存在していますが、空気の無い環境では生育ができません。そのためカビを生やさないためには、しっかり容器をアルコール消毒し付着した可能性のある胞子を取り除くこと(とくに詰めた後に容器の内側やジッパーバッグのチャックの部分など)、空気が入らないようにしっかり詰めることが重要です。
万が一、カビが生えてしまった場合は、表面を厚めに削り取り(カビは空気に触れている場所に生えます)、改めてアルコール消毒をします。今回、一度カビが生えてしまったという方もいらっしゃいましたが、この対応でその後は問題なかったと伺っています。
ガス抜き
発酵が進んでいる間、微生物の活動により生じた炭酸ガスが発生します。甕(かめ)や樽などで仕込む場合は不要ですが、ジッパーバッグなどの密閉容器で仕込む場合は、ガスの増加により破裂してしまわないよう、ガス抜きが必要です。今回はガス抜き用のバルブ付きのジッパーバッグで仕込んだため破裂をする可能性は低いものの、空気が溜まってきたらバルブから空気を抜いて、味噌が空気に触れている面積を少なくしておきます。この時、バルブが味噌についてしまうと、そこから液漏れが起こってしまう可能性があるため、そこだけご注意ください。
ちょっとしたひと手間ですが、ガス抜きをすると中から味噌のいい香りが漂ってきて、出来上がりが待ち遠しくなる、心地よいひと時でもあると感じました。
お好みのタイミングで完成
仕込みから半年を経た味噌がこちら。薄いベージュ色から、味噌らしい褐色になっています。
ジッパーバッグの上部や、甕で作った場合の表面は、全体の色に比べて少し色が濃くなっています。全体の色が変わっていくのと同じメイラード反応が進みやすいこと、空気に触れやすく酸化が進んでいることが原因です。酸化の場合は風味が落ちると言われているため、気になる方は取り除いていただければと思いますが、混ぜてしまっても問題ありません。 ※黒っぽいカビが生えていないかは、よくご確認ください。
この段階で味見をしてみると、少し角が立った味噌らしいはっきりとした味わいの味噌が出来上がっていました。このまま冷蔵庫に入れると発酵スピードがかなりゆっくりとなり、この味を楽しみ続けられますが、引き続き常温で発酵・熟成を続けていくと、よりまろやかな味に変わっていきます。わたしは少しずつ使いながら、引き続き発酵・熟成を進め、徐々に味が変わっていくのを楽しんでいきたいと思っています。
今年仕込んでいただいた皆さんも、ぜひご自身やご家族のお好みの味を求めて、食べるタイミング、次回以降仕込むレシピなど、色々お試しいただければ幸いです。
大豆をめぐる状況
昨今の気候の変化に伴い、大豆の収穫量がこれまでよりも減っているという話を、複数の農家さんや大豆を仕入れているお豆腐屋さんなどから伺っています。そもそも国産大豆が少ないことに加え、特に化学農薬などを使わずに栽培をされている農家さんでは、気候変化の影響を大きく受けて収穫量の減少という形で影響が出てしまっているとのこと。野菜に加え、大豆についてもしっかりと農家さんと連携をしながら、作り続けられる状態を一緒に作っていきたいと考えています。
今年初めて開催をさせていただいた味噌づくり。美味しさや作る過程の楽しさはもちろん、かつては兵糧にも使われていた栄養補給食が家にたっぷりあるという安心感を覚えています。今後も継続をしていく予定です。また開催が決まりましたらご案内をいたしますので、ぜひご参加ください!
