コーン期 夏の風物詩 ー野祭ー とうもろこし畑の今と、これからの循環
更新日:2 日前
のらくら農場さんにて、2週間ほどの収穫期間が始まるタイミングで開催をした、今年のコーン期 夏の風物詩 ー野祭ー。会場となったとうもろこし畑では、あっという間に収穫期間を終え、次の野菜づくりに向けた準備が始まっていました。
以前、のらくら農場代表の萩原さんが、こんな話をしてくださったことがあります。
畑に残った茎や葉が土に還り、微生物が繁殖して、次の野菜になっていく。このメカニズムが実に有機農業っぽい。
今回は現在のとうもろこし畑の様子とこれからについて、この萩原さんの言葉にある「循環」をキーワードにご紹介させてください。
とうもろこし畑の今
大人の背丈ほどに育ったとうもろこしをかき分けながら収穫し、傍らで生のとうもろこしを味わった畑。あれから2週間ほどが経ち収穫を終え、先週の8/22(土)に残った茎や葉を粉砕し、畑へのすき込みが行われました。写真左が収穫直前、右がすき込み後の様子です。
よく見ると、粉砕された茎や葉の中に、虫食いなどが原因で収穫されなかったとうもろこしの実も。
とうもろこし畑のこれから
畑に残ったとうもろこしの主な成分は、糖などの炭水化物(炭素C・水素H・酸素Oから構成)と、細胞をつくるたんぱく質(炭素C・水素H・酸素Oに加え窒素Nから構成)です。このうち炭素Cと窒素Nは、次の野菜が育つ上で欠かせない栄養に姿を変えていく、循環のの肝。この2つを追いかけながら、畑の中を見ていきます。
微生物による分解
まず分解されやすい糖質に酵母菌がつき、発酵が始まります。糖度の高いとうもろこしを常温に置いておくと、うっすらアルコールの香りがしてくるのですが、これは発酵によるものです。続いて、たんぱく質や食物繊維も、菌や微生物によって少しずつ分解されていきます。
分解された炭素Cの多くは、微生物の呼吸によって二酸化炭素(CO₂)として空気中に還っていきますが、一部は有機酸と呼ばれる様々な酸(-COOH)として土の中に残ります。また、たんぱく質に含まれる窒素Nは、微生物の働きでアミノ酸を経てアンモニウムイオンに変わり、さらに微生物の働きで硝酸に変わっていきます。
次の野菜が栄養として吸収
分解によって土の中に残った有機酸には、実はもう一つ大事な役割があります。土の中のミネラルは、そのままだと植物が吸収しにくい形で土の粒子にくっついていることが多いのですが、有機酸がそれを溶かし出し、根が吸収しやすい形に変えてくれます。
一方窒素Nは、たんぱく質の形では植物は吸収できません。硝酸やアンモニウムの形で根から吸収されるのが基本ですが、アミノ酸の状態のまま直接吸収されることもわかっています。アミノ酸には炭素・水素・酸素も含まれているため、これをそのまま使えると、植物にとっては手間の少ない栄養源になり、旨味や甘味の増加にもつながります。
こうして、光合成という植物本来のエネルギー源に加えて、畑に還った有機物からのミネラルや窒素の補給が重なることで、次の野菜がより豊かに育っていきます。今年は、ほうれん草、ターサイを、この畑で栽培する予定です。
ふかふかの土へ
ここまでとは少し違う視点ですが、この分解〜吸収の流れは、土の質そのものにも影響を与えます。畑に残った有機物に菌や微生物が集まり、さらに小さな昆虫たちも集まってきます。彼らの分泌物や排泄物、そして動き回ることによって、土の粒同士が小さな塊(団粒)を作り、そのすき間に空気が入り込みます。このような要素が重なりあって、ふかふかの土になっていきます。
秋のお届けに向けて、微生物による土づくりが進む、元とうもろこし畑。ぜひ、ほうれん草・ターサイが届きましたら、とうもろこし畑の様子も思い出していただけたら嬉しいです。(別の畑で栽培をするほうれん草・ターサイもございます。)
