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野菜と虫 ~野菜が虫に食べられる理由~

  • 執筆者の写真: 秋山 智美
    秋山 智美
  • 2023年11月18日
  • 読了時間: 4分

更新日:2023年11月25日

前回は、今年の気候と虫の増加についてお伝えさせていただきましたが、今回はそもそもなぜ虫に食べられてしまうのか?について、少し考えてみたいと思います。

農作物はそもそも病害虫に弱い

畑で作られる野菜などの農作物は、野生の植物と比べて必然的に病害虫に弱い、というのが大前提としてあります。

  1. 野生の植物と比べて自衛力が低い 野生の植物は、長い歴史の中で草食動物や病原菌から身を守るため、様々な有毒物質で武装をしてきました。辛味、苦み、渋み、えぐ味のような不快な味は、草食動物に食べられるのを回避しています。しかし、私たちが普段食べている野菜を始めとした農作物は、毒が無く(少なく)食べられるもの、より美味しいもの、より多く収穫できるものなどを野生種から選抜をしたり、様々な品種改良を重ねてきています。そのため、野生種とは違い自衛力の弱い種となっています。 ※品種改良や野菜の毒については、種のはなし ~品種改良~植物が持つ自然毒の力もご覧いただければと思います。

  2. 人工的な生態系である畑は生物多様性が低い 自然林や原野などの自然生態系では、特定の生き物だけが異常に増えたり逆に決定的なダメージを受けることは少なく、多様な生き物が複雑な食物連鎖の関係を持つことで、全体として安定しています。畑でも土づくりなどをして様々な生物がいる状態を作ってはいるものの、そもそもが人工的に作られた場所で、特定の作物を栽培しているため、相対的に生物多様性が低く、バランスが崩れやすい環境です。 以前、子どもたちと一緒に野菜を学ぶ「子どもやさい研究会」で、キャベツは青虫🐛に食べられると、青虫の天敵であるハチ🐝を呼び寄せる化学物質を出すということを学びました。呼び寄せられたハチは青虫に卵を産み付け、孵化したハチの幼虫に食べられてしまうのですが、周囲にハチがいなければこの連鎖は起こりません。


日本原産の野菜≒日本の気候で自然に育つ野菜は極わずか

前述の通り、野菜は人間が長い年月をかけて人口的に作り上げてきた植物です。その元を辿った時に自生をしていた場所である原産地の気候は、その野菜が好む環境をしる手がかりとなるのですが、現在日本で食べられている野菜で日本原産のものは極わずかです。そのため、高温多湿な日本では、多くの野菜は何もしないと虫や病気にやられてしまいます。

※日本原産の野菜は、三つ葉、自然薯(じねんじょ)、茗荷(みょうが)、山葵(わさび)、蕗(ふき)、芹(せり)、独活(うど)、蓴菜(じゅんさい)、山椒(さんしょう)など、約20種類ほどと言われています。


虫害が発生する要因と対応

虫に野菜を食べられてしまう、養分を吸われてしまうなどの虫害は、以下の3つの要因が揃ったときに発生します。

  • 主因:害虫そのものの存在

  • 素因:害虫に侵されやすい作物の性質

  • 誘因:害虫の発生に好適な環境

主因となる害虫そのものの存在は、植物工場のような場所で育てる場合を除いて避けられません。そのため、いかにそれ以外の条件が揃わないように栽培管理をするか?が大切となります。その方法はさまざまで、ごく一部ですが例えば以下のようなことが挙げられます。

  • 化学農薬などを用いて害虫そのものを駆除する

  • 害虫に強い品種を栽培する

  • 日当たりや風通し、水はけ、肥料など、植物が丈夫に育つ環境を整える

  • ネットをかけて害虫が野菜につかないようにする

  • 太陽熱を利用して土壌を消毒する

  • 害虫を食べる虫とのバランスを整える

ただし、農薬などで害虫を駆除しても、徐々にその農薬に抵抗性のある虫に変化していき同じ農薬では効かなくなってきたり、有益な虫も殺してしまうことで畑全体の生物多様性が更に失われ変化に弱い状態になってしまいます。また、そもそもコントロールすることができない天候に大きく左右されますし、ネットをかける前に既にその中に害虫が発生していれば、むしろネットの中で虫が野菜を食べ放題となってしまうなど、どの方法にもこれをやれば大丈夫というものはなく、全体を見ながら適切な対応を選択していく必要があります。

購入をした野菜に虫がついているということは殆ど無いかと思いますが、それは容易に実現できることでは無いのかもしれません。保けん野菜で皆さんのお手元にお届けする野菜も、基本的には虫を取り除いていますが、もし入ってしまっていた場合には、お声かけいただくと共に、このような背景を少し思い出していただけたら幸いです😊

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