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生ごみの可能性について考える

執筆者の写真: 秋山 智美
秋山 智美
2024年12月14日
読了時間: 4分

更新日:2025年2月9日

以前のブログ「かてい農園における“循環” ~土~」で、土の循環についてお伝えさせていただいたのですが、かてい農園に於いて循環のキーになるのは“生ごみ”だと考えています。私自身、現在生ごみも含めた残渣からの堆肥づくりを学んでいる最中なのですが、今回はご家庭でも日々出る“生ごみ”についてお伝えさせてください。

生ごみの排出量

環境省の調査によると、2022年度における一般廃棄物と言われる、国内の家庭や事業所から排出される可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみ、し尿などの、産業廃棄物以外のごみの排出量は、4,034万トン(東京ドーム約108杯分)、1人1日あたり880グラム(家庭ごみ:496グラム、事業ごみ:384グラム)でした。そのうち生ごみの割合は、家庭ごみで40%、事業ごみで30%程度と言われており、合わせると1人1日あたり314グラムの生ごみを排出していることになります。感覚値よりも多いという方もいらっしゃるのではないかと思いますが、加工食品の製造の裏側にある生ごみも含めると、沢山の生ごみが排出されています。

環境省報道発表「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和4年度)について」より作図
環境省報道発表「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和4年度)について」より作図

生ごみの行方

80%ほどの水分率と言われる生ごみですが、日本では多くの生ごみが焼却された後、最終処分場に埋め立てられます。しかし2022年度末時点で、最終処分場が満杯になるまでの期間は23.4年と言われており、焼却~埋立にも限界が見えています。(2019年度末には21.4年と発表されていたので、ごみの減少や取り組み等により延長されているようです。) また既に関東・中部では、地域内で最終処分場が確保しきれておらず、他の地域で最終処分を行っています。

環境省報道発表「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和4年度)について」より抜粋
環境省報道発表「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和4年度)について」より抜粋

加えて日本では他の国と比較をして、ごみの資源回収(リサイクル+コンポスト)の割合が低いことが分かります。2013年と少し古いデータですが、大きな構造変化は行っていないと認識しています。缶、瓶、紙、プラなど資源ごみとして分別しているものも多いかと思いますが、生ごみを焼却処分しているということが大きく影響していると考えています。

コンポストなどで堆肥にすることで土に戻していけるのですが、ほとんどそうなっていないというのが実情です。

OECD「Environment at a Glance 2015 OECD INDICATORS」より抜粋・追記
OECD「Environment at a Glance 2015 OECD INDICATORS」より抜粋・追記

化学肥料の自給率

畑で作物ができるとその分の栄養が取り出されるため、基本的にはその分の栄養を畑に戻していく必要があります(※)が、現在その多くを化学肥料で補っています。化学肥料の原料はほぼ100%輸入に頼っており、2021年秋以降の中国による肥料原料の輸出検査厳格化や、ロシアのウクライナ侵攻の影響で肥料原料の輸入が停滞したことを受けて、今後は輸入に頼り切らない形の構築が必要になっています。政府としても2050年までに輸入原料等を原材料とした化学肥料の使用量を30%低減することを目標に掲げています。

※厳密には、微生物の働きによって空気から養分を作ったり、植物が吸収できない形で土に存在していた成分を吸収できる状態に変化させたりすることで、補われる養分もあります。


農林水産省「肥料をめぐる情勢」より抜粋 令和4年7月~令和5年6月の肥料原料輸入状況
農林水産省「肥料をめぐる情勢」より抜粋 令和4年7月~令和5年6月の肥料原料輸入状況

生ごみの可能性

多く排出されている一方で、ほとんどが化石燃料を使って焼却されている“生ごみ”。適切な処理をすることで、養分を含んだ堆肥として土にもどしていくことができる“生ごみ”。自治体によっては分別回収の取り組みが行われるなど、これから土に戻していくための動きが様々な形で出てくるのではないかと思っています。

分別の手間がかかること、虫や臭いが発生する可能性があること、少量だと品質が安定しにくい(病害虫が発生しやすい土になってしまう)ことなど、越えなければいけないことが多くありますが、改めて生ごみから良質な堆肥を作る技術を学びながら、かてい農園での土の循環の形を模索しています。

皆さんに野菜セットをお届けいただいているないとう農園の内藤さんも、有志の方々と生ごみのコンポスト化に取り組まれており、今後、保けん野菜としても土の循環の形を作っていきたいと考えています。

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